「モラセス」と聞いてわかる人は、たぶんかなりのお菓子作り好きだと思う*1。ダークフルーツケーキなどに入れて色と香りを出すためのものだ。私は10代の頃、お菓子の本を借りては書き写す、という妙な趣味があったので、実際に使ったことはないが名前は知っていた。
その「モラセス」が、先日聞いた海外講師の講義で出てきたのだ。内臓をよくする食べ物というテーマの時、「砂糖が好きで摂りすぎる人にはモラセスがいい」とアメリカ人講師。通訳はモラセスを知らなかったらしく、辞書で調べて「廃糖蜜」です、と言っていた。
講師によると、モラセスは砂糖を作る際、精製時に出るものだそうだ。純化させた砂糖を摂りすぎる人に、精製した残りのモラセスがいいとは皮肉なものだ、とも。
甘い物好きでなかなかやめられない私にはぴったりだ、とさっそく買ってきた。海外ではポピュラーなものだろう、と思って成城石井をのぞいてみるとありました。フルフレーバーとライトの2種類があったが、成分を見比べるとフルの方がミネラルが多かったので迷わずフルを購入。
ただ、買ってはみたもののどう使うかよくわからなかったので、ホットミルクに入れてみた。すると、甘くないのだ。驚いた。少し前にこの話をした友人はたまたまモラセスを知っていたらしく、「甘くないよ、黒蜜とは違うよ」と言っていたが本当だった。
よく考えれば、砂糖を取った残りなんだから甘くないのは当然。これなら普通に黒砂糖を摂った方が賢いんじゃないか、と思ったがまだ瓶は開けたばかり…。ただ、独特の香ばしい風味は慣れればおいしくなりそうだし、風味につられて錯覚で甘味も感じるような気がする*2。特に、カフェオレがやめられない私には、モラセス入り牛乳で代用できるのではないか、とちょっと期待。