毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

かわいいだけではないペット事情☆☆

この本は小説ではない。図書館で森絵都さんの名前を見て反射的に借りてきたが、エッセイとルポの中間のような本だった。
※ここでふだん取り上げているジャンルとはかなり違っているので、興味のない方は飛ばしてください。
毎日新聞に連載されていたコラムをまとめた本で、「君」というのは犬や猫のことだ。飼い主の都合で捨てられた犬を取り巻く環境をさまざまな角度から書いている。著者自身も里親制度を利用して捨てられた犬を飼っているし、同じように犬をもらい受けた人たちへのインタビューをまとめた記事が8割くらい。

しかし、森さんは暗い部分にも目を向けなければ、と保健所から引き取った犬たちを引き受けるボランティアやシェルターの運営者にも話を聞き、実際に殺処分にも立ち会っている。その話はとても重い。
私自身、以前実家の隣が飼っていた犬を扱いきれなくなり*1、ある日突然静かになったと思ったら保健所の回収に出していたことを知って衝撃を受けた経験があり、人ごととは思えない。

「最後まで責任持って面倒見られないなら飼うな」というのは簡単だが、実際にはこの問題は簡単ではない。中でも、ボランティアの人たちの金銭・場所・時間的な負担は想像を超えていた。それはこの本を読まなければ知ることもなかったと思うので、読んでよかったかもしれない。暗い面も知ることになるので、それなりの覚悟はいる本だ。

*1:早朝から何時間も吠え続ける、飼い主を手加減なく噛むなど