毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

脳の機能について知る入門書☆☆

脳の使用説明書―今すぐ実践できる脳のパワーアップ術 (ゴマブックス)
橋本 淳司
ごま書房(1999/08)

\850+税
※現在は絶版のようです。
以前この日記で絶賛した、『「箇条書き」を使ってまとまった量でもラクラク書ける文章術』の著者、橋本淳司さんが以前書いた本。プロフィールで知り、タイトルに惹かれて読んでみた。


実際に借りてみて思ったのが、“ちょっと古すぎるかな”だった。10年以上も前、脳について書かれた本。本には「後世に残る本」と「鮮度が大事な本」があると思うが、この本は明らかに後者だ。

しかし、読んでみると案外知らないこともあり、面白く読めた。この時の橋本さんの肩書きは「サイエンスライター」で、たくさんの医師から話を聞いてまとめたものだそうだ。

ただ、著者として名前の出ないライティングの仕事をされる前の本だと思うので、文章や構成などに特に目を見張るようなものはないし、その意味ではちょっと期待はずれだった。“ライフワークは水問題”だそうでそれに関する著書はたくさん出ているので、そちらを読んだ方が文章に関しては勉強になるかもしれない。


というわけで、現在は手に入りにくいこともあって積極的にお勧めできる本ではないのですが、もし“脳に関するわかりやすい本が読みたい”とお探しの方にはいい本です。


以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。

脳には米がよい(P24)

タンパク質を効率よくとれる食品は、鶏卵、牛乳、米など。米にタンパク質が豊富とは意外な気もするが、実際には牛肉よりも上という数字が出ている。日本人の主食である米からは、脳のエネルギー源であるブドウ糖も同時に補給することもできる。

セロトニンが不足すると衝動を抑えられない(P51)

セロトニンは本能や情動を司る大脳辺縁系に働き、性欲や攻撃性、食欲などにブレーキをかけている。セロトニンが不足すると衝動を抑えることができなくなり、乱暴な振るまいが目立ちはじめる。ふだんからイライラしがちになり、ギャンブルや過食、盗みがやめられなくなることも多い。精神的に深刻な影響が出る場合もある。気分は落ち込み、やる気が起こらなくなり、何ごとも悲観的になってしまう。

大人になると記憶力が落ちる理由(P85)

子供の頃は使いやすいシナプスの組み合わせを使って記憶しているのだが、そのうちに使いやすい組み合わせはすべて使い切ってしまう。しかたがないので、それまでに使っていなかったシナプスの組み合わせ、つまり、使いにくいシナプスを使うようになる。そのため、覚えるのに時間がかかるようになる。

並行処理なら脳の方が速い(P162)

コンピュータは順にひとつひとつ情報処理しているが、人間の脳はパッと全体像をとらえて瞬時に処理することができる。10なら10、100なら100を同時に吟味するから、答も同時に得られる。(中略)コンピュータ的な思考に比べると段違いに速い。
このように、同時に大量の情報を扱える能力がひらめきや直観、推測などの創造活動を支えている。

歩くことが脳にいい理由(P170)

歩くことによって下半身のたくさんの筋肉から出た神経の信号が、秒速100メートルという猛スピードで脳幹に伝わる。すると脳幹が刺激され、目覚めと眠りをコントロールしている脳幹網様体の働きが活発になり、大脳全体の活動を高めるというわけだ。
伊能忠敬は体も頭もしっかりしていたから晩年まで歩き続けることができたのではない。歩き続けたからこそ、頭も体も健康だったのである。

人の顔を覚えるコツ(P190)

(一度来たお客さんの顔を覚える達人の焼き鳥屋さんのエピソードより)
焼き鳥屋のおやじさんも客の顔は目と鼻(の形)で覚えるという。それも「眠そうな目の人」とか「獅子鼻の人」のように言葉に置き換えるのではなく、眠そうな目や獅子鼻の絵そのものを頭に入れ、それを名前と結びつけておく。さらにその時一緒に来た人や店の様子なども映像のまま覚えておく。つまり、右脳を使って映像として覚えているわけだ。
さらに記憶を強固にするためには、その人と世間話をするのがコツだという。そうすると「○○さんと話をした」という自分のエピソードとして記憶に残る。自分に起こった出来事の記憶は細かいところまで鮮明に覚えておくことができるのだ。