毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

“足りないものを補う”発想でやせる?!☆☆☆☆

著者の伊達友美さんは、食べ合わせダイエットなどでTVでもおなじみの管理栄養士さんだ。ご自身も20キロやせた経験があり、やせる食事指導をされている。この本は家族が借りてきたもので、読んでみたら意外に面白かった。


現在、私の食事の基本方針は幕内秀夫さんが提唱する“粗食”だ。100%そのままではないが、できるだけ近づけるようにしている。
その幕内さんの本では、あまり管理栄養士のことをよく書いていない。幕内さんのもうひとつの研究テーマである「変な学校給食」は管理栄養士が計算ばかりして作る献立だからだ、と書かれていたと思う。この本をパラパラとめくったところ、幕内さんが酷評していた「食事バランスガイド」が出ていたので一瞬不安がよぎったが、読んでみたら全体的には驚くほど幕内さんの本と内容が似ていたのだ。


たとえば、「本能で食べる」。五感を研ぎ澄ませ、自分が食べたいものを食べたい量だけ食べる練習をする。そうすれば食べ過ぎることもなく、自然に栄養バランスが整うそうだが、最近はそれすらわからない人が多いという。
また、カロリー計算に熱心になりすぎることにも注意を促している。何がどれだけ必要か、食べたものがどれだけ吸収されるかは個人差があるので、計算通りにはならないそうだ。
粉食(=主に小麦製品)よりも粒食(=主に米)を勧めているし、お酒もやみくもに禁酒するのではなく、健康にいい飲み方を提案してある。何より、「食事は体の栄養と心の栄養の両方の目的があり、どちらかを満たすものは食べてOK」というのは画期的だと思う。実際に取り組める、継続できる食事法だ。

違いは「朝ごはんは無理に食べなくてもよい」「サラダを勧めている」「肉も勧めている」ことくらいか。勝負食の石川三知さんはたんぱく質はいろんな種類のものを組み合わせて摂ることを勧めていたが、著者は「混ぜない派」のようだ。理由は、消化酵素の種類がそれぞれたんぱく質によって違うため、同時にいろいろ摂ると消化が悪くなるからだそうだ*1
この本の始めにダイエットには必ず合う合わないがあるので、今の自分に合う方法を吟味するのが大切、と書いてあった。おそらく食事法についても同じだろう。いろいろ試して調子がいいものを採用するのがよさそうだ。


後ろの方に、実際に著者が栄養指導している男性の例が紹介されているが、メニューを見てびっくり。夜にかなり高カロリーな肉系のメニューが多いのだ(指導後)。「え、これでやせるの?」と思うが、伊達式は“やせるためにたんぱく質をしっかり摂る”という考え方のようだ。しかも、ごはんもしっかり食べていいそうだ。狐につままれたようだが、この例の人は1年後15キロ減量し、血液検査の数値もみんな正常値になっている。やめたのは菓子パンと清涼飲料水。

常識と思っていることが、実は常識ではないのかもしれない。最終章ではAとBどちらを選ぶと太りにくいのか、というクイズになっていて、びっくりする答が続出。焼きそばよりラーメン、かき氷よりプレミアムアイス、鶏の唐揚げよりとんかつ…理由はぜひ読んで確かめてください。
やせたいけどがまんするダイエットはイヤ、という人は必読です。
私のアクション:揚げ物にはレモンかお酢をかける
関連記事
読書日記:『粗食生活のすすめ』
読書日記:『1食100円「病気にならない」食事』


以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。

自分で食べるものは、自分で決める(P27)

美味しそうで食べたければ、食べる。そうでもないようなら、食べない。食べてみて美味しければ食べきる。美味しくなければ無理に完食しないで残す。とても当たり前のことですが、これが本能的に食べることの基本なのです。
(中略)
地球に優しく、あなたにも優しいのが理想ですね。あなたはついうっかり流されて食べていませんか?これがいわゆる「無意識」や「思い込み」の怖いところです。それが太らないようにするための、「自分に優しい食べ方」なのです。

自分の体と相談して食べる(P36)

好きなものは食べてもいいですが、「好きでないもの」は食べてはいけません。そして、体の声をよく聞いて、「美味しく食べられる量」であることが重要です。

カロリーを気にしすぎない(P39)

カロリー計算にはまりすぎてしまうと、食べるものをカロリーという数字でしか判断しなくなるので、それはそれで困ります。
(中略)
…食べて体を温めるかどうかを示す単位でもあることは理解しましょう。食べて体を温める力が強いものが「高カロリー」で、温める力が弱いのが「低カロリー」な食べ物なのです。
つまり、あまりにも低カロリーな食事にしてしまうと、体は熱を作れず、冷えやすくなってしまうのです。体温が下がれば、代謝が下がり、消費するカロリーが少なくなります。

合うダイエット、合わないダイエットがある(P41)

どんなダイエットでも、必ずそれでやせたという方がいます。それは、その人に合っていたからなのです。世の中にあるいろいろなダイエット方法は、正しいものと間違ったものがあるわけではなく、その人に合うものと合わないものがあるのです。合っているのか合っていないのか、それは誰も教えてくれません。その時の自分の体に合ったダイエット、食事法を選ばなければ、なかなか太らない体は手に入らないのです。

「食べる目的」はふたつある(P42)

ひとつは体に必要な栄養素を補給して健康を保つこと。そしてもうひとつは、心に栄養を補給して精神的な安定を保つことです。
(中略)
…食べるものや飲むものを口に運ぶ時には、ちょっと考えてみてください。
「これは体に栄養を補給するものか?心に栄養を補給するものか?」
ということを。
そして、そのどちらにも栄養を補給することのないものは、食べなくてよいものです。体にも心にも栄養を補えないものなど、食べる意味がないと思ってください。
(中略)
カロリーが高いことを気にして「食べたい」という本能に逆らうのは、かえってダイエットのためにはよくないのです。そんなことをしたら、その時に必要な栄養がいつまでたっても補給されないので、「もっと食べさせないと!」と脳が判断し、食欲が爆発的に旺盛になったりします。

「食べたいものを食べる」ための練習:2ステップ(P44)

本能ですから、「五感」を充分に研ぎ澄ましましょう。その第1ステップは、まず「見た目」や「香り」。その食べ物をよく見て、香りをかいで、「美味しそう」「食べたい」と思うものを選びましょう。…直感的にピンと来るものがあるはずです。それを素直に食べてみましょう。
そして、第2ステップ。その食べ物が自分の体に合っているかどうかのチェックポイントは「味覚」。食べて美味しいと感じるものが、その時のあなたに合っているものでしょう。
(中略)
そして、食べていてあまり美味しいと感じなくなってきたら、そこが適量です。多ければ残してもよいでしょう。

日本人は「食事の中で摂る水分」が多い(P71)

昔ながらの和食の調理法は、食材に水分を含ませるものが多いのです。
(中略)
…日本人はしっかり食事を食べていれば、それほど食間に摂る水分はいらないはずなのです。
和食のおかずを食べたり、お弁当に味噌汁など汁物を一緒に摂るようにすれば、かなりの水分補給ができるでしょう。それほどのどが渇かなければ、食事以外で摂る水分は今よりも少なくてすむかもしれません。まずは食事から摂る水分を多くするように心がけましょう。

オリーブオイルは「エキストラヴァージンオイル」を(P104)

ピュアオイルとエキストラヴァージンオイルの2種類があり、ピュアオイルは化学的な溶剤を使って絞ったものですので、自然に絞ったエキストラヴァージンオイルを選ぶようにしましょう。

一口目に食べたものが、インシュリン分泌量を決める(P116)

インシュリンというホルモンは、糖を体内にとりこむ案内役をするのです。ですから、これが出すぎると、余分な糖まで体内に吸収されてしまいます。吸収された糖がうまくエネルギーとして使われないと、最終的に体脂肪として蓄えられるのです。このインシュリンをたくさん出さないようにすることが、肥満や糖尿病を防ぐためには重要なのです。
そこでポイントになるのが一口目に食べたものです。この一口目に食べたものによって、インシュリン分泌が大きく変わると言われているのです。インシュリンの分泌を刺激するのは、糖が100%、タンパク質は約56%、脂質は約10%。炭水化物(糖)に最も反応するので、それを多く含むものは一口目に食べない方がよいわけです。
(中略)
インシュリンを分泌しやすいかどうかは、GI値(グライセミック・インデックス)によって決まります。
(中略)
GI値が低く、インシュリンをあまり分泌しない食べ物は、食物繊維の多いもの、酸っぱいもの、脂肪の多いもの、タンパク質の多いものです。野菜は食物繊維が多く、GI値の低い食品なので最初に食べておくと、その後に食べたものの糖の吸収を穏やかにする働きがあるのです。
(中略)
ただし、炭水化物など糖が多いものであっても、GI値の低いものを一緒に食べるとGI値は下がります。いわゆる食べ合わせによっても、このGI値は大きく変わります。

お腹がすいた時には、まず体に必要な栄養のあるものを(P142)

小腹が空いた時につい、その辺にあるクッキーなどのお菓子を口にしてしまうと、まるでそれが呼び水になったかのように、お腹がすいてしまうようなことがあるでしょう。それは、栄養がさらに失われるからです(※体内でビタミンやミネラルが消費される)。

お腹がグーと鳴るのは空腹のサインではない(P143)

胃のサイズが元に戻る時の音。胃がようやく空になって、「もう食べ物を消化できますよ」という準備OKのサイン。…ただし、注意してほしいのは食べ過ぎた翌日。すごく食べ過ぎた時には、胃がいつもよりかなり大きくなっているはず。大きくなりすぎた分、翌日には元のサイズに戻る時、グーグーといつもよりお腹が鳴るはずです。でも、このタイミングで食べてしまうと胃の大きさは大きくなったままになってしまいます。グーグーを超えて、しばらくすると空腹感はおさまります。

体重とサイズは同時に落ちない(P154)

どちらかが交互に減るという場合が多いのです。…つまり体重が減っていなくても、サイズが減っていれば、ダイエットはうまくいっている証拠です。体重計とだけにらめっこしていると、イライラするばかりで停滞期を乗り切るのはむずかしいでしょう。
ですから、ダイエットをする時には体重だけでなく、サイズを測ることが重要なのです。

*1:フルコースでお肉と魚の両方がメインにある場合は、間に時間がかなりあくので大丈夫だそうです。同時に食べるのが問題のよう