タイトルからわかる通り、男性向けの本だ。だが、「飲んだあとの締めはラーメン」みたいなことはしてないよ、という女性にも使える本だった。
著者のダイエット理論は簡単にまとめるとこういうものだ。
身体に必要な栄養素を充分にとって、代謝効率を上げて脂肪を燃やすというもの。体重を一時的に落とすのではなく、生活習慣病などのリスクを下げ、自律神経やホルモンバランスを調整し、身体の免疫力を高める、「健康にやせる」方法。
(中略)
…「必要な栄養素をしっかり摂り身体を温めて胃腸を活性化すれば、糖や脂肪をガンガン減らせる体になって代謝効率が上がってやせる」という理論にたどり着いた。
(中略)
私は、世にあまたあるダイエット法のように、「これは食べるな」とか「カロリーを抑えろ」といった「マイナス思考」な指導をしません。むしろ、「これを食べて栄養を摂りましょう」という「プラス思考」のダイエットなのです(P5)。
著者はテレビのダイエット番組にもよく出演されているし、女性誌でもよく見かける。“食べ合わせダイエット”などと言われているので、失礼ながら「眉ツバ?」と思っていた。
ところが、この前の本を読んでちゃんとした理論があるんだ、と納得した。この本は少し前に出たものだが、基本的なことがくわしく説明されていて、栄養学にうとい人にも読みやすい。私は仕事柄栄養についても勉強したし、個人的に興味があって本もいろいろ読んでいるが、とてもわかりやすい解説で感心してしまった。自分で勉強会を開くならこの本をテキストにしよう、と思ったくらいだ。
トランス脂肪酸がなぜよくないのか、なぜ牛乳は摂らない方がいいのか、なぜ生の魚を勧めるのか、なぜ血糖値を安定させる必要があるのかなどなど、これまでブームになった健康に関する本に載っていたことは、ほぼ全部カバーしているのではないだろうか。
もうひとついいな、と思ったのは「持続可能な方法」であること。ダイエットは続けられなくては意味がない。私も前に食事量を減らして胃を小さくするダイエットをやり、その時はかなり体重が落ちたが、食べる量が戻れば体重も戻る。さすがに一生あのメニューはきつい。
そういう意味でも無理がなく、ある程度は食べたいものも工夫して食べられる。
「トランス脂肪酸」「小麦粉」「乳製品」がそろう洋菓子系は、この本を読めばちょっと手が出にくくなるのが辛いところ。
でも、食べ方を工夫すればまったく×ではない。
家族や周りの男性を何とかしたいと思っている女性には、これ1冊で自分にも役に立つのでお勧めです。
いっぱいありすぎてどれを読んでいいかわからない人、理論をちゃんと知りたい人はぜひ読んでみてください。
私のアクション:まずインシュリンの出にくいものから食べる
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読書日記:『「一生太らない体」をつくる食事術』
以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。
小麦粉系の食品に注意(P123)
クッキーやスコーンのように水分のない小麦粉系の食品は、摂取すると粘膜の水分を奪ってへばりついてしまい、残留物としてたまりやすくなるのです。
お腹がすいたら、間食もOK(P129)
ダイエットの一般的な指導では、「間食は厳禁」とされていますが、その日の体調や活動量によって、お腹の減り具合は違ってきます。そんな時に無理に間食をがまんしてもストレスがたまるだけ。
間食したら次の食事を減らすなど、帳尻合わせをすればいいだけなのです。
(中略)
ちなみに、おやつを食べるタイミングは午後3時がベスト。この時間帯は、糖分を脂肪に変えるホルモンの分泌量が一番少ないため、体脂肪になりにくい。「3時のおやつ」という昔ながらの習慣は理にかなっているのです。