毎日「ゴキゲン♪」の法則

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“落合的生き方”が日本を救う?!☆☆☆☆

落合博満・中日前監督の『采配』の読書日記を書くため検索していて偶然見つけた本。
巨人ファンで有名なテリー伊藤さんがこんな本を書くなんて。その意外さと刺激的なタイトルに興味を持ち、読んでみた。
想像以上に面白い本だった。



この本が出たのは2010年、落合さんはまだ現役で中日ドラゴンズの監督をされいていた。
なぜこのタイミングでこの本を書かれたのかはわからないが、テリーさんの書いている内容はほとんどが的を射ていると思う。
そうそう、そうなのよと膝を打ちながら読んだ。


なぜ日本人が落合監督を嫌うのか。それは、日本人離れしていて、理解できないからだという。
日本人はどんどん幼稚化していき、わかりやすく説明してもらわないとわからない、説明してくれない人は嫌いだ、という文化になってきている。
落合監督は「わからなければ結構」という態度を解説者時代も、試合後の監督インタビューでも貫いてきた。


すべてを直接本人に聞いているわけではないので、憶測もある。だが、かなりのところで真実だろうと思う。さすが、テリーさんはやはり鋭い。
この本で一番面白かったのは、信子夫人とのエピソード。信子夫人の存在があったから、3冠王を3回も取り、胴上げされる監督にまでなれた、と落合さんは語っているそうだ。そこにこの人の躍進の秘密があったのだ。


采配』だけではわからない、落合博満という人物を立体的に見るのに素晴らしい本。
ぜひ合わせてどうぞ。
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読書日記:『采配』
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以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。※メモに関してこちらをご覧ください。

ビートたけし落合監督の共通点(P30)

それは、いつでも冷めているということだ。常に自分を客観的な目で見ることができるのだ。
どんなときでも、みんなと一緒にその場に入り込んでしまうことがない。いつも「第三者的視点」を持っているのだ。
だからこそ、彼らは、そこに起きている状況や本質を瞬時に読みとることができる。

落合は嫌われることを恐れない(P34)

…落合は嫌われることを恐れないからだ。これは、日本人にとって、もっとも難しいことである。
たとえ、みんなに嫌われても、自分の信念や理屈を貫いて生きること。それをずっと実行してきたのが落合博満という人間であり、嫌われることを恐れて自己主張もできないのが日本の国民性なのだ。

他の誰にも見えないことが落合には見えている(P66)

勝負師の姿勢として、昔から日本人が好きなのは「勝ったときには謙虚に、負けたときも謙虚に」というものだ。
それに対して、落合は「勝った時は涼しい顔をして、負けたときこそ強気なことを言う」場合が少なくないから、「かわいくないなあ」と思われてしまうのだ。
しかし、そういうときこそ、落合から目を離してはいけない。
並の人間なら弱音を吐きたくなる場面、追い込まれたときや勝ち目がなさそうに見える場面、そのときに落合が何を言って、そのあと、どんなことをして見せるかという点に注目していくと、落合の言葉は、強がりでもなければ負け惜しみでもないことに気づく。