毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

「100%の準備」が自信を作る☆☆☆

 

アンチ巨人なのに思わず読んでしまう、そんな不思議な魅力のある本だった。

というのも、鈴木選手は「ものすごい準備をする選手」として、以前テレビ*1で紹介されているのを見て以来、興味があったからだ。

 

◆目次◆
はじめに
第1章 ジャイアン
第2章 初盗塁
第3章 転機
第4章 葛藤
第5章 ルーティー
第6章 心構え
第7章 こだわり
第8章 想い
おわりに

鈴木尚広選手は足の速さで知られ、ここ数年は「代走専門」として起用されることが多い。2014年4月に200盗塁を達成(うち代走で105盗塁)、同年5月には代走で106盗塁というプロ野球新記録も達成している。

今シーズンには代走専門でオールスター出場を果たす*2など、注目を集めている選手だ。
今年37歳、決して若くないのにますますパフォーマンスが向上している秘密が知りたい、と思って読んだ。

 

面白かったのは、

  • パーソナルトレーナーとの出会いにより、体の使い方が変わった
  • 100%の準備を心がけている
  • 盗塁は「いかに相手を自分の世界に引きずり込むか」の勝負

の3つ。

ケガが多かった鈴木選手は、せっせと筋トレに励んだが結果が伴わず、悩んでいたあるとき理学療法士の先生を紹介される。
その人に「アウターマッスルじゃなくてインナーマッスルを鍛えましょう」と提案されたことで「この人なら」と思い、それからずっとパーソナルトレーナーとしてお願いしているという。

鍛えるというよりも、インナーマッスルを使えるように刺激を与え、体のバランスを整えていく。その後、めきめきと効果が現れ、「30代になってケガをしないようになったのはオマエくらいだな」とチームでも言われるようになったそうだ。

さらに進化した鈴木選手は、身体とメンタルは連動していると実感している。プレーについて語られていることは、野球を超えて古武術とか剣術の間合いのようなそんな印象を受ける。

 

入念な準備、「ルーティーン」に関してもくわしく紹介されている。
自分の状態をチェックし、それに合わせて充分な調整をするために、早くから球場入りするという。もちろん一番乗り。デーゲームの日には、何と7時には球場入りしているというから驚きだ。
100%の準備をしているからこそ、失敗することは浮かばなくなったそうだ。

 今の私は失敗しても、それに対して100パーセントの準備をしてきたので、もし、結果がダメでも結構晴れやかな気持ちです。そこまでのことを私はやってきたという自負があります(P118)。


中でも一番印象的だったのは、「塁に出たら、そこにあるすべてを自分の世界に引き込む」ということば。いかに自分の世界に相手を引きずり込むか、が勝負だという。
「自分がスターターだ、相手ピッチャーが自分のタイミングに合わせて投げてくれる」という状態に持ち込む。
ピッチャーとの距離が近いな、と感じたらピッチャーに意識が行き過ぎていて、自分の後ろから全体を見ているような感覚の時は調子がいい、というのはまさに「メタ認知」。

 

どのスパイクを使うかも、練習メニューの決め方も、すべて自分の状態をチェックし、それに合わせて選ぶ、というポリシーが貫かれている。
そもそも球場に早い時間から行って準備するのも、もともとは「余裕がないとダメ、切羽詰まると慌ててしまい、いい結果が出ない」という自分の性格を知っているから、余裕のある状況を作るためにやるようになったそうだ。

やはり、最初は「自分を知ることから」なのだ。
鈴木選手はここ数年、「体性感覚意識」を鍛える、というトレーニングを積んでいるそうなので、それがメタ認知につながったり、身体感覚が鋭くなっているはず。

特にそんなトレーニングをしていない私たちに即まねをすることはむずかしい。それでも自分の状態に常に意識を向けて、自分にとって何がフィットするのか、どういう状況ならパフォーマンスが上がるのかを見つけ、できるだけその環境に近づけることで、いい結果が得られそうだ。

 

本来は巨人ファンやプロ野球ファン、盗塁・走塁をよくしたいアマチュア選手に向けて書かれた本。
でも、メンタルの整え方、成功するための考え方を学びたい人にもいい本です。
■レベル:守
アクション:ブログを書くベストのルーティーンを決める

 

以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。※メモに関してこちらをご覧ください。

book.yasuko659.com

 

 

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※鈴木選手の憧れだった赤星さんの本

 

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 ※“時間は未来から流れる”解説でたとえに出てくる「外野手のファインプレー」。まさしく第3章に書いてあります。盗塁の考え方も近い



*1:確かスポーツニュースの特集でした

*2:アメリカ人の記者にはあまり評価されなかったようですが(アメリカではオールスターは「すべてに秀でている選手が選ばれる場」と考えられているので)、「職人技」に敬意を表する日本らしくていい