毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

「プロセス」こそが人生☆☆☆☆☆

 

だが、最初のイメージとは違う、とても深い本だった。

 

◆目次◆
まえがき
第1章 あなたの人生をコントロールするのは誰か
第2章 成功者は皆、「他者」から学ぶ
第3章 あなたのいちばんの味方は、あなた自身
第4章 なぜ、あなたは働くのか―今日すべき3つのことを考える
第5章 「問題解決力」が人生を好転させる
第6章 ビジネスを突き動かす「基本原理」―なぜ、いとも簡単に売上が伸びるのか
第7章 マーケティングは死んだ
第8章 善なる経営
エピローグ 気高く生きる
訳者あとがき

この本は、マーケティングの巨匠が「自分の人生を語ることで、多くの人に生きる力を持ってもらいたい」という意図で作られたもの。
驚くことに、日本人に向けて書かれている。その経緯は訳者あとがきにあった。

 

翻訳者のオファーに対して、はじめはいい返事ではなかった。しかし、東日本大震災以降の若者の自殺率の高さに心を痛める著者は、自分の這い上がってきた過程を伝えることで希望になれば、という気持ちで出版を決意したそうだ。

富と名声をほしいままにしている著者が、「貧しい家の出身で学習障害で高卒、それも働き始めた矢先にできちゃった結婚」というスタートだったことは今回初めて明らかにされたという。
驚いた。しかし、恵まれないスタートでも、努力と考え方次第で成功できるのだ、とも考えられる。

 

著者はさまざまな知識を、「人に聞く」ことで学んでいく。最初は完全歩合制の営業の仕事に就いていたそうだが、その面接でも質問をすることでさまざまな業界のことを学んだそうだ。また、面接官の反応を見ながら自身の質問術も磨いていく。
心がけがあれば、どんなことからでも学べる、という大きな教えだろう。
のちのコンサルティング業の原点は、この「人に聞く」なのだそうだ。

 

第7章は、ビジネスの答を求める人にとって刺激的な内容だ。
マーケティングの巨匠自ら「マーケティングは死んだ」としているのだ。
テクニックだけが一人歩きしてしまい、数々の誤解があるそうで、それをこの章では解き明かしている。
テクニックではなくマインドが大切なのだ、と繰り返し説いている。
USPも一般的に言われているのは偽物だという。

 

むずかしいのは、ビジネスに関することと人の生き方に関することが並列して書かれていること。
読み手にとっては、話があちこちに行っている印象を受けるかもしれない。
だが、これが著者の理念なのだそうだ。

訳者あとがきによると

 これまで、氏の理論は非常に難解とされておりましたが、ジェイ・エイブラハムの真骨頂は、ビジネスを通して、人生の本質を語ろうとしているところにあります。形而上の問題を、哲学用語を用いるのではなく、あえてビジネス用語にして、平易に伝えようとしているのです。そこには、氏の「ビジネスにこそ本質に至るヒントがある。それは他でもない、より高次に至るための『道』である」という確固たる信念があります(P235)。

だという。

8章、エピローグは個人に向けて書かれている。「幸せとは何か」「人生、命の本当の意味」にまで触れていて、まるで聖職者が書いた本のようだ。
でも、「ビジネスが奪うものではなく、高潔に生きることがビジネスに結果をもたらし、自分もまわりの人も幸せにできるのだ」という教えは、確かに生きる希望になるはずだ。
結果だけを性急に求めるのではなく、すべてのプロセスをゆっくりと進むこと。プロセスひとつひとつが人生なのだ。

 

著者の理念すべてを開示した力作。何を受け取るかは、読む人が求めているものによって変わってくる本だと思う。

内容は深いが、語りかけるような本なので、読みやすい。
生き方を変えたい人、迷っている人にはいいきっかけになると思います。
私も大きな気づきが得られたので、☆5にしました。
私のアクション:2つの課題(下のメモにあります)を日課にする
■レベル:守 基本をていねいに教えてくれる本。原点に立ち返りたい人に 

 

次の記事は私の個人的メモです。興味のある方はどうぞ。※メモに関してこちらをご覧ください。

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