※文庫版が出ています→『しないことリスト (だいわ文庫)』
『持たない幸福論』を読んだあとにこの本も出ていることを知り、図書館で予約していた。
するするっと読めるのに実はとても深いことを書いてある、phaさんらしい本だった。
◆目次◆
はじめに
第1章 環境をスッキリさせる 所有しないリスト
第2章 行動をラクにする 努力しないリスト
第3章 意識をラクにする 自分のせいにしないリスト
第4章 人生をラクにする 期待しないリスト
おわりに
ぱらぱらとめくって驚いた。それは「一般常識だと“するべき”に分類されることが、ほとんど“しなくていい”ことになっている」からだ。いいんですか、そんなにいろいろやらなくて。大丈夫なの?と心配になるレベル。
phaさんの主張は
いわゆる「しなきゃいけないこと」の99%は「本当は別にしなくてもいいこと」だ(P6)。
やりたければやればいい。やってはいけない、というほどではないが、やりたくないのにやる必要はないでしょ、ということのようだ。
読みながら脱力する。どんどん人生から降りていって、最後には「長生きしない」に到達する。何だかお坊さんの本みたいだ。
そうやって、どんどん「実はやりたくないこと」を「しない」と決めてしまうと、「本当にしたいこと」が見えてくるというのだ。
確かに、やらなくてもいいことをやめていけば、「(実は)やらなくてもいいのにやっていること」だけが残る。それはつまり「本当にしたいこと」。
自分にとって大事なものがハッキリすれば、それ以外のものは捨てられる。
phaさんはこれができている。だから、自分にとって価値のないものはさっさと捨てられるのだ。
形のあるものだけでなく、たとえば「人からどう見えるかはもういい」というものも。「自分を大きく見せない、人に下に見られることを恐れない」というphaさん。すがすがしささえ感じる。凡人にはなかなかそこまで達観できないが、憧れる。
面白いな、と思ったのがメモは手書きの方がいいなど、案外デジタル一辺倒ではないこと。“情報に自分なりの「色」をつける”と書かれていたが、新鮮だった。phaさんが実際に使われている、メモ術のようなこともくわしく紹介されていて興味深かった。
インプット/アウトプットをしっかりされている人のやり方は参考になる。
そぎ落とすものをいろいろと提案しているこの本だが、やり過ぎは禁物。
僕もこの本で「○○しない」というのをたくさん書いたけど、自分で書いておいてこんなことを言うのもなんだけど、ここに書いてあることをすべて完璧に実践する人がいたら怖いなと思う。こういうのは適当に読んで、適当に自分に使えそうな部分だけ取り入れて参考にしたらいいものだ(P194)。
自分がなかなか手放せないけど、実はなくてもいいかも?というものに気づいたら、ぜひ読んでみてください。
私のアクション:「コンサマトリー的に生きる」視点を持つ
■レベル:破
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