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人生に余裕を生む、「ハーバード流交渉術」とは☆☆☆☆

※ [Kindle版] はこちら

※『ふしぎとうまくいく交渉力のヒント』(2009年9月講談社刊)を改題、加筆、改筆したもの

大人のための読書の全技術』の中で紹介されていた本。ちらりとタイトルが出てきただけで、どんな内容かくわしくはわからなかったが、「ハーバード流交渉術」というキーワードに興味が湧いて読んでみた。
弁護士が使っている交渉術というからどんな専門技術かと思ったら、日常に広く使える方法だった。


◆目次◆
まえがき 齋藤孝
CHAPTER 1 交渉力は人生を豊かにする技術
CHAPTER 2 相手の心の扉を開く<7つのカギ>
CHAPTER 3 交渉の極意
CHAPTER 4 親子でできる交渉力トレーニン
CHAPTER 5 コミュニケーションに踏み込む身体
CHAPTER 6 いつでもどこでも<7つのカギ>
あとがき 射手矢好雄
文庫版 スペシャル対談

この本は中国で活躍されている国際弁護士・射手矢好雄さんと齋藤先生の対談形式で進められる。
弁護士と言えば、“弁舌鋭く相手をやり込める”といったイメージがあるが、それは一昔前の話で、今は相手も自分も利益を得る、ウィン=ウィンの関係を目指す方向に変わってきているそうだ。

日本では「ハーバード流交渉術」と呼ばれる方法を、射手矢さんは自らハーバードのロースクールで学んできたという。
その後、弁護士として27年間磨いてきた技術を大学でも「交渉論」として教えているそうだ。
それはあくまでも弁護士を目指す学生への「講義」だったのだが、日常生活でも広く使えることがわかり、齋藤先生と「ワザ化」しようとまとめたのがこの本だ。
そのため、どんな人にも使える内容になっている。

射手矢 ビジネスをうまく進めるうえで活用しようというのは普通に皆さんが考えることだと思います。けれども私が知ってもらいたいのは、ビジネスや外交といった局面で一部の人だけが専門的に使う技術ではなく、もっと日常的な場面で普遍的に使えるものなんだということです。
齋藤 どんな交渉事にも、誰でもが使える、と。
射手矢 難しい決断にも、ちょっとしたことにも広く応用できます。私は「人生は交渉だ」とよく言うのですが、毎日の生活は人付き合いに基づいた交渉だらけです。
(中略)
恋愛も、就職も、仕事のあれこれも……人と関わることはすべて交渉で成り立っています。人生は交渉だと考えれば、それこそ大人であろうが子どもであろうが、誰もが交渉のポイントをきちんと知っている方が生きやすくなります(P26)。


交渉の要素は7つある*1

1.利益
2.オプション
3.根拠
4.代替案=BATNA(バトナ)
5.関係
6.コミュニケーション
7.合意(P28)

これを頭に置いて相手と交渉したり、準備をすることで感情的になることを避けられるし、自分が望む結果に近づける。
齋藤先生は実際に学生にも教え、手応えを感じているそうだ。

実はこれ、使い道は「交渉術」に限らない。自分の頭を整理するのにも使える。
婚活や就活にも使えるし、学生の中には恋愛問題をひと晩でクリアした例もあるという。


読んでいて、これはフレームワークと言ってもいいのでは、と感じた。
射手矢さんは「バルコニーに立つ」と形容されていたが、自分を客観視する=メタ認知できるツールといえる。
「頭が硬い」というのは、ひとつの手法に固執してしまい、柔軟に考えられない状況をいうが、この「7つのカギ」を使えば、状況を整理できる上に必ず代替案も考えるので、結果的に「頭を柔らかく」できる。
視野が狭くなった時にも役に立ちそうだ。


<7つのカギ>をどうやって自分のものにするかが一番の問題だが*2、例として小説「走れメロス」「清兵衛と瓢箪」、落語「火焔太鼓」を読み解いていて、わかりやすかった。
慣れるまでは小説やドラマなどで状況を整理するのに使ってみるといいかもしれない。

齋藤先生はこれによって「大人力」がつく、と言われていた。若い人ほど自分の考えに固執して、周りの状況が見えないことが多いが、この方法でバランスよく全体が見えるようになる。


個人的には「<BATNA>があることで心に余裕が生まれる」というのが魅力的だった。
人は「これしかない」と思うと焦って失敗しやすい。オール・オア・ナッシング思考に走りやすい私には、「いやいや、こっちの手段もある」と思えるならうれしい。


年齢や立場に関係なく、夫婦げんかを回避する、子どものゲーム時間を減らす、といった日常的なことにも使えるので、人生から衝突を減らしたい人やうまく自分の希望を通したい人はぜひ読んでみてください。
私のアクション:頭の整理に<7つのカギ>を使う練習をする
■レベル:守
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以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。※メモに関してこちらをご覧ください。

*1:巻末の「文庫版スペシャル対談」ではさらに絞って3つ、<利益><オプション><BATNA>のシンプル交渉術が提案されていました

*2:射手矢さん曰く「とにかくたくさん書いてみるのがいい」そうです