毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

アイデアを伝えるシンプルな方法☆☆☆

企画は、ひと言。

企画は、ひと言。

  • 作者:石田章洋
  • 日本能率協会マネジメントセンター
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「いろいろなコンセプトをひとことで言い切る」という、意外にむずかしいことを書いた本だったからだ。これなら、私の長年の悩みも解消されるのではないか、と思ったのだ。

 

◆目次◆
はじめに    
第1章 ウケる企画はみんな「ひと言」
第2章 ウケるアイデアの5原則
第3章 ひと言で発想する技術?アイデアを生み出す
第4章 ひと言で発想する技術?アイデアをひと言にまとめる技術
第5章 「ひと言」を強く、確実に伝えるために
おわりに    
参考文献

この本で紹介されている例:メガヒット企画を「ひと言」でいうと

トヨタプリウス
「地球にやさしいエコカー
AKB48
「会いに行けるアイドル」
LINE
「無料で仲間とつながることができるアプリ」
キッザニア
「子どもが遊びながら学べる職業体験テーマパーク」(P149)

などなど。とてもわかりやすい。

 

私の長年の悩みというのは、「自分のビジョンをわかりやすく、短いフレーズであらわす」こと。セミナーに通い、仕事をする上で独自性を表現するUSP*1を作るという課題もあったし、最後にはセミナー講師自ら考えてくださったのだが、結局ピンと来るものにならなかったので使っていない。

ずっと注目してきた人が、ある言葉を「自分の表現したいもの」として使い始めてから一気にブレークしたのを見て、やっぱりゴールというか、旗印は大事だと痛感した。
だから、私もそういう「言葉のゴール」をつくりたいと思ったのだ。

 

著者は放送作家なので、企画を通さないことには仕事にならない。
最初は苦労していたそうだが、ある日ひょっこり浮かんだ企画をシンプルに持って行ったところ、初めて採用されたという。この体験が著者の原点で、それを元に「いかにアイデアをわかりやすく伝えるか」を磨いていった。
そのやり方をていねいに教えてくれるのがこの本。

よく「アイデアはA4・1枚にまとめなさい」とか「細部に凝るのではなく、シンプルに伝えたいことを書け」というが、具体的にじゃあ何をどうまとめたらいいのか、というのがよくわからない人は多いと思う。
とても具体的で、順を追って教えてくれるので、その通りにつくれば、基本的なことはわかるようになっている。

 

この本で伝えているのは、あくまで企画を通す段階の「ひと言」の練り上げ方だ。著者によれば「キャッチコピー」や「コンセプト」の前の段階だそうで、おしゃれである必要はなく、しっかり伝わることが大切だという。
「ひと言」をプラッシュアップしていけば、「キャッチコピー」や「コンセプト」を作れる。その違いをきちんと説明してある本はあまりないので親切だと感じた。

 

企画が必要なのは、特殊な仕事に関わる人だけではない。

カップラーメンの液体スープの小袋が空けやすくなるアイデア」でも、「ボールペンが書きやすくなるアイデア」でもいい。
(中略)
 なんでもいいから、
 今よりも暮らしがちょっとだけ便利になる。
 今よりも少しだけ笑顔の人が増える。
 今よりも仕事がちょっとだけ楽しくなる。
 今よりも少しだけ困っている人が世の中からいなくなる。

そうしたアイデアが実現するようになると、世界はほんのちょっとずつ変わっていきます。
 そして、いいアイデアを考えて、実現していくことであなたの人生にも良い変化がもたらされるはずです(P16-17)。

仕事に限らず、たとえば「彼女にプロポーズするサプライズをどうするか」というのもアイデアだ。そんな風に考えれば、すべての人にアイデアを形にするための企画力は必要だ。

 

結果で言えば、「この本を1冊読んだからできました!」にはならなかった。ただ、私の場合はもっと根っこの部分から考えた方がいいことがわかったので、それだけでも収穫だった。

著者にとってはある意味「メシの種」なのに、こんなに教えてくれていいのかな、と心配になるくらい。これは『おもしろい伝え方の公式』も同じだったので、著者のサービス精神なのかもしれない。
イデアを形にしたい人、何かを人に伝えたい人に役に立つ本。ピンと来た方はぜひどうぞ。
私のアクション:日々心に引っかかることを、こまめにメモする
■レベル:守


次の記事は私の個人的メモです。興味のある方はどうぞ。※メモに関してこちらをご覧ください。

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*1:ユニーク・セールス・プロポジションのこと。ただし、マーケティングの本などで紹介されているものと、セミナーで言われていたものは少し違うかもしれません