毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

不便な生活で自由が増える?☆☆☆☆

寂しい生活
稲垣 えみ子
東洋経済新報社(2017/06/16)
¥ 1,512


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寂しい生活
東洋経済新報社 (2017/06/16)
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家族が借りてきた本。稲垣えみ子さんのことは、以前報道ステーションでお見かけした時に髪型のインパクトがすごすぎて覚えてしまい、今でもコラムなどを見かけたら読んでいる。
なので、電気代が月に200円行かないような、ものすごいミニマムライフを送られていることは知っていた。
ただ、なぜそうしたのか*1、どういう経緯でそこに至ったのかを知りたいと思っていたので、喜んで読んだ。

手に取った時には予想もしない、ものすごく深い気づきの本だった。


◆目次◆
はじめに
1 それは原発事故から始まった(アナザーワールド
2 捨てること=資源発掘?(掃除機、電子レンジ……)
3 嫌いなものが好きになる(暑さ、寒さとの全面対決)
4 冷蔵庫をなくすという革命(たいしたことない自分に気づく)
5 所有という貧しさ(果てしなき戦いの果てに)
6 で、家電とはなんだったのか(まさかの結論)

ご存じの方も多いと思うが、稲垣さんは元朝日新聞記者。もちろんそれは知っていた*2
ただ、3.11の時に大阪本社にいらっしゃったことはこの本で初めて知った。

自らが「原発がなくても大丈夫」と言えなければ説得力がない、と最初の目標は「電気代の半減」だったそうだ。
これは、関西電力が日本で最も原発依存度が高い電力会社で、当時50%を超えていたことによる。

半減のため、はじめは苦労と我慢で節電する。辛い。苦労する割には減らないので、稲垣さんはあまり使っていない掃除機を手放してみる。
次には電子レンジ。そうやって“便利な家電”を捨て、不便になるかと思ったら、違ったという。
なくても困らないどころか、生活が豊かになっていったというのだ。
たとえばエアコンをやめたことで、ちょっとした日陰に涼しさを感じるようになったり、秋の気配や春のおとずれを肌で感じるようになったという。
ずっと掃除が嫌いだと思っていたが、掃除機を捨てて箒とちりとりにしたら喜々として掃除するようになり、「嫌いなのは掃除ではなくて掃除機だった!」というエピソードも。


この「家電を手放していくプロセス」最大の山場は冷蔵庫だ。さすがに、冷蔵庫なしの生活は勇気がいる。稲垣さんご自身も命がけだったそうだ。
しかし、冷蔵庫をやめたことで、「今を生きる」に目覚めるからすごい。

 冷蔵庫をなくし、買い物の楽しみを奪われ、ふと気づいたのだ。
 もしや、これが「今を生きる」ということではないだろうか。
 将来(これから使うウキウキ食材)も、過去(買い置いておいたとっておきの食材)もない日々を、私は生きている。それは確かにつまらない。なぜつまらないのかというと、夢がないからだ。身もふたもない(人参と厚揚げしか買えない)「ちっぽけな今」を生きるしかないからだ(P136)。
※「人参と厚揚げ」は、その日食べる夕食のおかずに買った材料

そしてその気づきは、人生にも及ぶ。

……つまらない日々は、一方で心安らぐ日々なのである。
 慣れてくると、今日の献立だけを考える買い物はシンプルで迷いがない。お金もかからない。余分な食材の一切ない台所は実にすっきりしている(P136)。

 妙な話だが、私は冷蔵庫をなくして以来、ものを腐らせるということがほとんどなくなった。必要十分なものしか買わないから、いや買えないからである。
 考えてみれば、これまでアレヤコレヤの夢を冷蔵庫の奥にため込んで、どれほど腐らせてきたことか!それは私の人生も同じだったんじゃないだろうか?あれこれの夢をため込んではほったらかしにして、次々と腐らせてきたんじゃないだろうか?そんな暇があったら、今できることをシンプルに、とことんやり尽くせばよかったのではないだろうか(P137-138)?


実際には、ご飯を鍋で炊いておひつで保存すれば腐らないし、野菜が余ったらベランダで干せば長期保存もでき、結局は冷蔵庫がない時代=江戸時代の食卓に近づいていく。

「今を生きる」は宗教家をはじめいろんな方が繰り返し言われているが、実際にやるのはなかなかむずかしい。それが、冷蔵庫がなくなることで、否応なしに実感できるなんて、衝撃だった。そして、それが人生への考察にもつながるとは。


この体験を通じて、稲垣さんは「家電は本当に家事を楽にしてくれていたのか?」「便利を追求することは、本当に人を幸せにしてきたのか?」と問いかける。
「便利」というのは、何もしなくていいことを追求すること。それは行き着くと「寝たきり社会」なのではないか。
私たちは「新しいものを買うことが便利で豊かになることだ」と信じて来たが、実は違っていたのかも、と思う。
稲垣さんは、今は家事を楽しくやっているという。確かに面倒だけど、それをできるだけカットしたいとは思わないそうだ。


一番印象に残ったこと。
「物をたくさん持つのが幸せで素晴らしいこと、だからたくさん稼いでたくさん買わなければ」と思う。すると、仕事をする時間が「重要で価値のある時間」になり、それ以外の家事や生活にかける時間は「無駄な時間」に二分される。生きていくために必要なことを「無駄な時間」と嫌い、減らすことばかり考える。
それは正しかったのだろうか?という問いは私の心に刺さった。


今の生き方をちょっと考えたくなる本です。
私には電気代半分カットもアフロヘアもできませんが、もっといろんなものを削ぎ落とした生活ができる気がしてきました。
もちろん、稲垣さんもこの生活を人にすすめようとは思わない、と書かれていますが。

着地点はまったく違うものの、先日読んだ勝間和代さんの本にも通じるところが多いと思います。
ミニマリストに憧れている、という人はもちろん、来し方行く末を考えたい、という時期に来ている方はぜひ。
私のアクション:    
■レベル:離 ※かなり現実離れはしています…

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以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。※メモに関してこちらをご覧ください。

*1:3.11の原発事故がきっかけ、ということはどこかで読んで知っていました

*2:テレビでお見かけした時はまだ退職前だったので