毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

[読書日記]悩みどころと逃げどころ☆☆☆☆

悩みどころと逃げどころ(小学館新書)

悩みどころと逃げどころ(小学館新書)

【2020/05/03UP】
この本のことを知ったのは、ちきりんさんの著書について調べていた時だったと思う。
梅原大吾さんがプロゲーマーで、著書はビジネス界にも通用するとしてベストセラーになったことは知っていた。

そんなふたりが対談したらどんな内容なのか、興味がわいて読んでみた。

とても面白くて、深い対談でした。


◆目次◆
ご挨拶~まえがきに代えて~ ちきりん
第1章 学歴―「学校って行く意味ある?」ちきりん「大アリですよ!」ウメハラ
第2章 競争―「寝てた僕が悪いんです」ウメハラ「いえいえ、悪いのは先生です」ちきりん
第3章 目的―「なにより結果が大事!」ちきりん「ん?結果よりプロセスですよ」ウメハラ
第4章 評価―「どうやったら人気が出るの?」ちきりん「自分のアタマで考えてください」ウメハラ
第5章 人生―「興味を持つ範囲が広いですね」ウメハラ「ウメハラさんが狭すぎるんです」ちきりん
第6章 職業―「やりたいことがあるのは幸せ」ちきりん「いや、それ結構つらいんです」ウメハラ
第7章 挫折―「つらい時は逃げたらいいです」ちきりん「えっ、逃げたらダメでしょ!?」ウメハラ
第8章 収入―「お金じゃないのよ」ちきりん「それ、クチで言うのは簡単です」ウメハラ
最終章 未来―「目指せ、社会派ゲーマー!」ちきりん「長生きして待っててください」ウメハラ
この本ができるまで~あとがきに代えて~ 梅原大吾


「先生の言うことを聞いて、勉強していい大学に入り、いい会社に入れば人生安泰ですよ」という生き方を選んだちきりんさん。
学校でみんなと同じことをやらされるのが苦手で、好きなゲームに没頭して自分の道を切り開いたウメハラさん。


立ち位置は本当に正反対。それは、本の目次を見てもわかると思う。
でも、「学校の価値観って、本当はおかしくない?」という意見は一致している。

この本は、まったく違う立場から学校教育について、ひいては幸せな人生について重ねられた対談集だ。

正反対な2人だけど、「学校の価値観」が嫌いなところは同じ

見てきた世界は正反対なのに、ふたりが「こういうところはおかしいよね」と言うのは、やっぱり日本の学校教育が今の時代にフィットしなくなってきたのだと感じた。

たとえば
「何でもそつなくできる人を優秀だと評価する」
とか
「考えることを教えない」
とか
「黙って言われたとおりにやる子がいい子」
など。


ふたりが日本の学校教育に違和感があるのは、どちらも世界(海外)を肌で感じた経験があるからだろう。
そしてきっと、これからはそういう人が増えていくんだろうと思う。

「幸せな人生」はひとつじゃない

学校では「幸せな人生」の正解はこれですよ、と教える。上にも書いた「いい学校を出ていい会社に入れば…」というモデルだ。
でも、どちらもそういう生き方ではないのに*1「幸せな人生だ」と言い切れる。そういう人がいる、というのはとても心強い。

ウメハラ 僕たち違うところも多いけど、でも、似てるところもありますよね?
ちきりん 似てるのは、どちらも自分基準で生きてて、他者の評価に依存していないところかな。既製品の「いい人生」を追い求めているわけじゃなくて(以下略)(P109)。


人とは違う、自分なりの幸せな人生を追い求めるとはどういうことなのか。世間一般の考える「幸せな人生」とは少し違う生き方をするふたりの言葉は、とても実感がこもっていた。


子どもの頃から好きで没頭していたゲームでプロになったウメハラさん。
違和感を感じながらも学校エリートとして大学を出て就職、でもちっとも楽しく思えなくて逃げて逃げて(本人談)今のポジションにたどり着いたちきりんさん。

「やりたいこと」が幼い頃から決まっていた人と、そうじゃない人の対比としても興味深い話が展開している。

ウメハラ …僕の場合、子どもの頃から自分には格闘ゲームしかないとは思ってたけど、当時はそれが自分に与えられた“器”だと納得できてたわけではないんです。
 ところが一度その道を諦めて、他の仕事までしてあがきまくった末にたどり着いた「やっぱりここしかない」っていう感覚は、子どもの頃の「ゲームしかない」とは明らかに違うレベルの納得感です。そういう、本気出して真剣にあがいた経験を経ないと、このレベルの納得感は得られない。
(中略)
ちきりん …今回ウメハラさんの話を聞いてわかったのは、事実として自分の好きなコトができてる、人より圧倒的にうまくできてるってことよりもさらに、「これこそが自分の進むべき道だ」って腹落ちすることが大事なんだってことです(P125・133)。

小さい頃からやりたいことがわかってて、一心にその道を進んでこられたんだからきっと幸せなはずだ、と単純に思ってしまうが、実はそうじゃなかったという。


そして、やりたいことに邁進しても天職にはならなかった人、たとえばプロゲーマーになれなかった、途中で挫折したり芽が出なかった人たちがどう考えればいいのかも示されている。

ここは、このふたりにしか語れないことがぎっしり詰まっているのでぜひ読んでほしい。

「成長オタク」ウメハラvs「ゆるい」ちきりん

正反対のところにいるふたりの意見は時にぶつかり合う。
一番面白かったのは「逃げはありかなしか」。


「逃げたらだめだ」というウメハラさんに対し、「逃げてもいい」とあえて伝えたいというちきりんさん。

ちきりん 私が敢えて“逃げる”という言葉を使うのは、世の中、絶対に逃げちゃダメだって思ってる人が多すぎるからかも。やめることは逃げじゃなくて、自分の好きなもの、自分に合ってるものを見つけるためのプロセスのひとつなんだから(以下略)(P151)。

20代の私に聞かせてやりたいと思った。そう言ってくれる人が、誰かひとりでも(身近じゃなくても、ネットや本の中でも)いたら、私の生き方はずいぶん変わったかもしれない。


他にも半径2メートルしか興味がないウメハラさんと、半径2キロ以内のことには興味がない(世の中にしか興味が湧かない)ちきりんさんの対比や、あまりにもストイックに自分の道を極めようとするウメハラさんに

ウメハラさんってほんとーに、成長オタクですよね(P102)。

とちきりんさんがしみじみ言うところは笑ってしまった。
そして、たぶん私もレベルは違うけど、きっと「成長オタク族」の一員だな、と自覚が持てました…。


対談なのでスルッと読めますが、実は深いことがたくさん書いてあります。
何より、学校が苦手な若い世代に読んでほしい本。
「自分の天職が何なのか悩んでいる」という人にもぜひ。


【おまけ】この本の発売記念トークイベントが記事になっています。
www.4gamer.net
ゲーム系サイトなので、ふだんのちきりんさんのフィールドと違うところも面白い。
本の内容も紹介されているので、読んでみてください。

私のアクション:成長オタクの自覚を持ち、「日々の成長」を軸に日課をブラッシュアップする
■レベル:破 読みやすいけど、内容は「破」ですね


次の記事は私の個人的メモです。興味のある方はどうぞ。※メモに関してこちらをご覧ください。

*1:学校エリートだったちきりんさんは、途中で疑問を感じて“大きな船”を下りてしまった、と自ら語られています