毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

[読書日記]身体が「ノー」と言うとき☆☆☆☆ 

※Kindle版はありません

この本を読んだきっかけは佐伯チズさんがALSで亡くなったこと。
あんな素敵な人がなぜ、と疑問に思い、ALSについていろいろ調べていたら、ある人のnoteにたどり着きました。

そこには、佐伯さんの病気のことと共に、この本の内容が。
note.com


ALS以外にもがんやさまざまな難病にも似たような傾向があるそう。
興味が湧いたので図書館で借りて読んでみました。


私たちが思う以上に性格と病気には関係がある。
病気は外から突然やって来るのではなく、「NOと言えない本人の代わりに身体が反応した結果」だというのです。


  • ポイント1 ALSになるのはどんな人?
  • ポイント2 感情を抑え込むと病気になる?
  • ポイント3 病気にならないためにできること



◆本の目次◆
第1章 医学のバミューダ三角海域
第2章 いい子すぎて本当の自分を出せない女の子
第3章 ストレスと感情コンピテンス
第4章 生きたまま埋葬される
第5章 もっといい子になりたい
第6章 ママ、あなたも「がん」の一部なのよ
第7章 ストレス・ホルモン・抑圧・がん
第8章 何かいいものがここから出てくる
第9章 「がんになりやすい性格」は存在するのか
第10章 55パーセントの法則
第11章 単なる思い込みにすぎない
第12章 上の方から死んでいく
第13章 自己と非自己――免疫系の混乱
第14章 絶妙なバランス――人間関係の生物学
第15章 喪失の生物学的影響
第16章 世代を超えて
第17章 思い込みのメカニズム
第18章 ネガティブ思考の力
第19章 治癒のための七つのA

こんな本です

カナダ人医師が書いた本。
著者はたくさんの患者を診るうちに、自己免疫疾患のような難病は「自分より人を優先し続けることに、心の代わりに体がNOと言った結果なのではないか?」と思うようになった。


自分の患者や家族に子供の頃の環境や性格の傾向などをインタビュー(終末期医療に関わっていたので、該当する患者はたくさんいたようです)。
また、ルー・ゲーリック、スティーヴン・ホーキンス博士、ロナルド・レーガン元米大統領など該当する病気*1になった著名人の伝記や資料で幼少時からの心の軌跡をたどり、病気との関係を考察しています。


著者は、「子供の頃の家族関係や生育環境によるストレスが、本人も気づかないうちに細胞・分子レベルで体に刻み込まれ、神経系・免疫系・内分泌系を介して体に影響を与えている」と考えている。

インタビューだけでなく、それを裏付ける研究結果や論文などもたくさん引用してあるので、ただの思いつきやこじつけとは思えませんでした。

ポイント1 ALSになるのはどんな人?

ALSの患者を診ている医師はみな口々に感じのいい人が多いという。
検査結果が出る前に、「この人は感じがよくないからALSではないだろう」という検査技師のカンがほとんど当たっているくらい、性格と病気には相関関係があるそうなのです。

もうひとつの特徴はまったく休もうとしないこと。
ALS患者特有の性格は「過去に非常にエネルギッシュ」であり、「典型的ながんばり屋か慢性的に仕事中毒者だった」そうです(あるALS患者の著書による) 。

ALSの患者たちの人生からは一様に、子供時代における感情の欠乏または喪失が浮かび上がってくる。彼らの性格的な特徴は、自分に厳しく、助けを求める必要を認めようとせず、精神的にも肉体的にも痛みを感じていることを認めないというものである。こうした行動や気持ちの処理のしかたは、発病するずっと前からあったものである。ALS患者の全員とは言わないまでもほとんどの人に見られる感じのよさは、本人(と周囲の人々)が持つイメージに合わせるために自ら作り上げたものなのだ(P65-66)。

…子供のころから、人の役に立ち、人に受け入れられ、価値のある人間になるために、自分の望みは犠牲にしなければならないと信じてきたことに気づいた。命を脅かすほどの病気になってやっと、彼女は自己犠牲による奉仕の行き着く先は死の袋小路だということを学んだのだ(P89)。
※ALSを克服した患者のエピソード

ネットによると、佐伯さんは子供の頃両親に捨てられ祖父母の元で育った、という情報もあるようです。
私が引っかかっていたのは、「2015年頃、頼りにしていたスタッフの女性にだまされ、2億円を取られてしまった」というエピソード。

信じていた人に裏切られた痛み、それでも諦めまいと心身にむち打ってがんばり続けたことがきっかけのような気がしてなりません。

ポイント2 感情を抑え込むと病気になる?

もちろん、ALS以外の自己免疫疾患やがんなどの病気も同じ。
感情を出せない人たちの中でも、特に「怒り」を抑圧している人が病気になりやすいといいます。

今は発症していない人でも、性格の傾向テストをすると、今後特定の病気になりやすいかどうか、かなりの精度で予測できるという研究も。
さまざまな環境から「自分の感情を抑圧する」ことを強いられた子どもは、自分の感覚がわからなくなるという。本当は怒っていても、怒りを表現することが許されない(または許されないと思っている)と、怒りを感じないようになるのです。

怒りが適切に生じるためには、自分にとっての脅威とそうでないものとの区別がつかなければならない。いちばん基本的なのは自己と非自己の区別である。もしどこからどこまでが自分なのかという境界がわからなければ、そこに何か危険らしいものが侵入してきても知ることができない。馴染みのものか見知らぬものか、無害なものか有害な可能性のあるものかを区別することが必要だが、そのためには自己と非自己を明確に見極めなければならないのである。怒りとは見知らぬ危険なものを認識し、それに対して反応することなのである(P256)。

怒りのメカニズムが、免疫機能とほぼ同じであることがわかりますよね。
正しい怒りは自分を守るものなのです。

ポイント3 病気にならないためにできること

「NOと言えずに自分を抑圧し、病気になった人」に共通しているのは、子供時代のことを話す時にネガティブなことを一切言わないことだそう。

多くの患者は 「自分は幸せな家庭に育った」と幻想を抱いているそうですが、著者はこれを「偽りのポジティブ思考」と呼んでいます。
これは、辛かったことに直面すると生きていけないため、見ないようにしていたことが原因。
幸せな記憶だけを残し、辛かったことには気づかないふりをしてきたのです。


著者は「本当の自分を見なければ、病気はとどまり続けることになる」と言い、「ネガティブ思考」を勧めています。

ただし、ネガティブと「言っても暗く考える」ではありません。「偽りのポジティブ思考をやめて、目の前の現実を見ること」です。
「私は強い」「ひとりで何でもできる」という幻想から目覚めることも大切だと言います。

ネガティブ思考の力を発揮するには、私は自分が思うほど強くないと認める強さが必要である。自分は強いというイメージにしがみつこうとするのは、弱さを、――大人と比べた時の子供の弱さを――隠すためなのだ。弱さは決して恥ずべきものではない。強い人でも助けが必要なことはある。生活のある部分ではパワフルでありながら、別の部分では途方に暮れることもある。できると思っていたことが、何から何までできるとは限らない。病気になった多くのひとが気づくことだが…強くて絶対傷つかないという自己イメージに合わせようとする生き方はストレスのもとであり、それが体内の調和を乱すのである(P369)。


また、最終章では「治癒のための7つのA」というものが紹介されています。
“治癒のため”となっていますが、これを心がけることで「体がNOと言う」前の予防にもなるはず。

治癒のための7つのA

1.Acceptance(受容) 思いやりを持って今の自分を見つめる。
2.Awareness(気づき) 自分はどう感じているのか、注意を払う
3.Anger(怒り) 怒りの正体は不安であることが多い。正しく怒る
4.Autonomy(自律) 他者との間に明確な境界線を引く。自分の中にある「核」に気づき、成長させる
5.Attachment(ふれあい) 人とふれ合いたい気持ちを素直に認める
6.Assertion(主張) 自分と世間に向かって「私はここにいる」「私はこういう人間だ」と宣言する。自分を正当化させるために行動するのをやめる。ただ存在することが「主張」
7.Affirmation(肯定) 創造性を発揮する/宇宙そのものを肯定する・つながる
※単語のあとの文言は独自にまとめたものです
※「4.自律」は、「自分を律する」というよりも「自分で選択する」というようなニュアンスです

まとめ

病気は外から突然やって来る災難ではなく、自分の内側が外からやって来るさまざまなストレスに対処できなくなった結果現れるもの。

体がNOと言う前に、自分でNOを言えるようになりましょう。
自分は本当はどう感じているのか、何が欲しくて何がいらないと思っているのか、まず自分の内側に聞いてみることから始める。

人から押し付けられるのではなく、自分で選ぶことが大切です。


とにかく長い。さまざまな人のエピソードが語られるので、興味を持って読み進むことはできますが、あまり整理されているとは言えません*2
さらに論文などからの引用が多いので、専門用語もたくさん出てきます。

興味のある方はどうぞ。
辛くなるエピソードも多いので、心身の状態がいい時に読んでください。

私のアクション:「正しく怒る」を学べる本を読む
■レベル:離 他に類をみない本なので


次の記事は私の個人的メモです。興味のある方はどうぞ。※メモに関してこちらをご覧ください。

*1:「アルツハイマー病も自己免疫疾患の一種」という説があり、著者はその立場を取っています

*2:この病気の人はこういう考え方をする、ここに問題があった、という風に分けられていないので