- 作者:メンタリストDaiGo
- 発売日: 2018/09/12
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 作者:メンタリストDaiGo
- 発売日: 2018/11/01
- メディア: Kindle版
図書館で借りた本。
ざっと内容を見た時に、
「…何かに似ている?」
と感じました。
この前読み直したばかりの『第1感 「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい』。
book.yasuko659.com
それもそのはず、この2冊はある同じ目的で借りたものだったからです。
――その目的とは、「写真からその人のことをどれだけ見抜けるか」*1。
残念ながら「スナップジャッジメント」とは「写真から見抜く方法」ではありませんでしたが、面白い本でした。
『第1感』が出版されたのは2006年。
一方、この本は2018年に出た本です。
どちらも「実は数秒で見抜ける。直感力が大事」というところは同じですが、大きな違いも。
なお、本では人のさまざまな面(いいことも含めて)を見抜く情報が紹介されていますが、この記事では「相手の嘘を見抜く」に絞って書いています。
- ポイント1 「人を見抜く」に関する誤解
- ポイント2 ポイントは共感力
- ポイント3 スナップジャッジメント能力は鍛えられる
◆本の目次◆
第1章 人を見抜く前に知っておくべき3つの誤解
第2章 能力を見抜く7つのスナップジャッジメント
第3章 性格を見抜く3つの方法論
第4章 ウソを見抜く4つの戦略
第5章 パートナーを見抜く5つの着眼点
第6章 やばいやつを見抜いて自分を守るための3つの防衛線
第7章 8週間トレーニング
こんな本です
人は嘘を見抜くのがヘタなのだそうです。「自分は嘘を見抜くのが得意だ」と思っている人でも、正解率は50%程度。つまり、当てずっぽうとほとんど変わりません。
なぜなら、「嘘を見抜く前提」が間違っているから。
DaiGoさんによると、「人間には、実は数秒で相手のことを見抜ける能力が生まれつき備わっている」そうです。
この「スナップジャッジメント能力」についての解説と、実際にその能力を鍛える「8週間トレーニング」を紹介している本です。
ポイント1 「人を見抜く」に関する誤解
世間には3つの誤解があるといいます。
- 誤解1:人を見抜くには時間がかかる→数秒で見抜けるので、これは間違い。
- 誤解2:人の心は表情と行動で見抜ける→表情や行動で見抜くのは実は無理。もっといい方法があります。
- 誤解3:人を見抜くには特殊なテクニックが必要→特殊なテクニックは必要ありません。誰でも生まれつき持っているので、意識して鍛えればOK。
『第1感』との大きな違いは、「誤解2」。
『第1感』には「表情で見抜く」が効果的と書かれています。それも、かなりのページを使って言及されています。
DaiGoさんによると、専門チームが作られたものの、実際にはいくらトレーニングを積んでも見破ることができず。現在では使われなくなってしまったのだそうです。残念!
確かに、見抜くためには動画をスローモーション再生したり、時にはコマ送りまでしなければならなかったようなので、現実的ではなかったのかも。
ポイント2 カギは共感力
「嘘を見抜く能力」として、最も大切なのは「共感力」なのだそうです。
ある実験では、「この人は嘘をついているかどうか」という目で見るよりも、「自分がこの人だったらどう思うか?」と考えた方が、嘘を見抜ける確率はほぼ倍になったのだとか。
「嘘を見抜く戦略」が紹介されています(P138~ 説明は私が追加したものです)
- 戦略1 シミュレーション戦略 相手の立場から考えてみた方が、行動や外見から見抜こうとするより有効
- 戦略2 言語フォーカス 嘘をつく人は、話の内容から距離を取ろうとする
- 戦略3 無意識を信じる いろいろ考えるよりも直感に従った方が、結局は嘘を見抜く確率は上がる
- 戦略4 他人をむやみに信用する 嘘を見抜くのがうまい人ほど実際には他人を簡単に信じてしまう
「戦略1」が、Twitterにも書いた「共感力」です。
さらに「戦略4」も意表を突いていますよね。
- まず信頼してしまう
他人を信頼する人はコミュニケーションを楽しもうとする傾向があるため、会話にもおおらかな態度でのぞみ、自然と向こうの発言や動きに幅広い目配りをするようになります。そのおかげで、普通なら見逃してしまいそうな相手の情報にも気づき、最終的には嘘を見抜く確率が高まる(P148)
- 「他人への信頼」と「嘘を見抜く能力」は、お互いに影響を与え合っている
いったん人を信頼すれば、それが嘘を見抜く能力を高め、嘘を見抜く能力が高まれば、それが今度は他人への信頼を育てます(P149)。
「損して得取れ」というか(違う)、「懐に飛びこむ」というか。
まず信頼してしまうと、疑ってかかった時には見えないものが見える、というのは新鮮です。
ポイント3 スナップジャッジメント能力は鍛えられる
この本で一番のポイントは「スナップジャッジメント能力の鍛え方」が書いてあること!
DaiGoさんの本には、たいてい最後に「8週間トレーニングプログラム」が載っています。
『第1感』にはこれがなかったので、「“2秒でなんとなく”と言われても、具体的にはどうしたらいいの?」というモヤモヤが残りました。
スナップジャッジメントの能力を高める8週間トレーニング(P245)
第1-2週 純文学に触れる ※苦手なら海外ドラマでも可
第3-4週 不快感を導入する 1日1-2分でいいので、自分に軽い不快感を与える時間を持ち、その感覚をじっくり味わう
軽石でこする、チクチクしたセーターを着るなど第5-6週 人知を超えたものを感じる
壮大なもの。畏怖の念を抱けるもの。自分のちっぽけさを感じられるもの
自然や宇宙を感じる動画を見たり、スマホの待ち受けにするだけでもOK第7-8週 内受容を鍛える 内受容…自分の体の状態を正確にモニタリングする能力のこと
自分の体を正しくモニタリングできる力=他人の感情も正しくモニタリングできる
ボディスキャン瞑想(自分の体の各部分に少しずつ意識を向けていく瞑想)を行い、内受容の力を高める第8週以降 実践で使ってみる
まず、直感で相手の大まかな印象をジャッジする
さらに観察して情報を集め、「人間のパターン」と照らし合わせる※説明は私が追加したものです
まとめ
- 人を見抜くためのステップは2つ(P37)
ステップ1 鍛え上げた直感力で相手を大きく見抜く
ステップ2 パターン認識を使って直感の正確性を高める
- スナップジャッジメントのカギは共感力
相手の立場に立って考えれば、危険を回避する能力が高まる
- 共感力を鍛えるには8週間トレーニングが有効
個人的な感想ですが、DaiGoさんの本にしては「作りが甘い」印象でした。
「まえがき」「あとがき」もないし*2、そもそも「スナップジャッジメント」とは何か、という定義も書いてありません。
この本もたくさんの論文を読み込んで書かれたと思うんですが、文献リストもない。
『第1感』と比較するために元の実験や論文が同じかチェックしたかったのですが、それができず残念でした。
おそらく読みやすさを優先したのだと思います。その分、こういう本に慣れていない人も気楽に読めるはず。
今回は紹介していませんが、「この人は自分に脈があるのか見抜く方法」や「将来成功しそうな人を見抜く方法」、さらには好きなコーヒーでキャラを判断するというまるで「コーヒー占い?」のようなものも。
これからパートナーを見つけたい人にいい情報もたくさんあります。
8週間トレーニングは、それほどむずかしくないものばかりです。
直感力を鍛えたい人、危険な人を避ける能力が欲しい人はぜひ読んでみてください。
私のアクション:ボディスキャン瞑想で内受容を高める
■レベル:守
※この本のメモはありません