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[読書日記]「嫌いっ!」の運用☆☆☆☆ 

「嫌いっ!」の運用 (小学館新書)

「嫌いっ!」の運用 (小学館新書)

「嫌いっ!」の運用(小学館新書)

「嫌いっ!」の運用(小学館新書)

  • 作者:中野信子
  • 発売日: 2020/11/26
  • メディア: Kindle版

家族が借りて来た本。中野さんもどんどん新刊が出るので全部追い切れていません。
昨年11月に出た、比較的新しい本です。


嫌いな人、苦手な人が多いワタクシ*1
今までずっと、それを恥じる気持ちがありましたが、何と、活かす方法があるというのです。
ウキウキして読みました。

ちょっと目の前が開けるようないい本でした。


  • ポイント1 「嫌い」は脳のアラーム
  • ポイント2 「嫌い」は自分を知るカギ
  • ポイント3 これから生き残れるのは「嫌い」を活用できる人



◆本の目次◆
第1章 「ヒトは嫌わずにはいられない」
第2章 「嫌い」という感情はどのように形成されるのか
第3章 嫌いの効用と戦略的運用術
第4章 嫌いな人との付き合い方
第5章 家族に対する嫌悪感
第6章 自己嫌悪との向き合い方
第7章 嫌いなこととの向き合い方

こんな本です

著者は、「嫌いが悪で、好きが善」という世の中の風潮を不思議に思ってきたそうです。

嫌いになるには、嫌いになる理由があるはずなのです。もちろん最初は「なんとなく嫌い」という漠然とした嫌いから始まることもありますが、その「なんとなく嫌い」にも理由があるはずなのです(P11)


この本は

「嫌い」という感情をうまく使いこなせず持て余している人、もしくは嫌いな人やものを無理に「好き」になろうとして、無駄な努力をしている人(P14)

を対象に、

もっと目の前にある自分の心を大事にし、せっかく生じたこの感情に光を当てる(P14)

ことを目的に、「嫌い」について解説したもの。


「嫌い」という感情にフタをするのではなく、なぜ「嫌い」なのかを冷静に分析することで、有効活用できるのではないか、
という提案がこの本のテーマ。

もちろん脳科学をはじめとした科学的なエビデンスがベースになっています。

ポイント1 「嫌い」は脳のアラーム

「嫌い」という感情は、自分を守るために非常に大事なもの、と中野さんは書いています。

「自分にとって必要のないもの、または害になるかもしれないものを回避するためのもの」だと言います。


つまり、「嫌い」は脳に備えつけの重要なアラーム機能なんですね。

「嫌い」の感情の中には、脳が感じる自分にとっての「不快」「不安」「不審」「違和感」があり、その先には「危険」や「恐怖」「不利益」「有害」がある(P21)

「嫌い」は、根拠のないネガティブな感情ではなく、蓄積された情報から、脳が合理性を持って判断している結果としての心の声(P21)

悪いものではない、どころか、とても重要な情報なのです。

無視したり、抑え込んでしまうと危険だし、もったいない。

ポイント2 「嫌い」は自分を知るカギ

生きている以上、「嫌い」という感情からは逃れられない。
それなら、自分がなぜ嫌いなのか、冷静に分析した方がよい、というのが中野さんの考えです。

「嫌い」を使いこなせる人は、その感情を無駄にしない人です。
(中略)
そして「嫌い」を認め、なぜ嫌いなのか、客観的に考え、嫌いな理由を分析してみましょう(P86)

「嫌い」を知ることは、己を知ることにつながります。


さらに、「嫌い」という感情を認め、「人やものを嫌っている自分」も認めることで、自分と向き合えるきっかけにもなるそうです。

なぜ嫌いなのかを考えながら、その「嫌い」という気持ちを大切に扱うことで、自己肯定感を高めていけるはず(P77)


ポイント3 これから生き残れるのは「嫌い」を活用できる人

今までは「嫌い」とはっきり意思表示しないことは、「協調性がある」として、特に日本では評価されてきました。

しかし、これからは「嫌い」と言える人の方が評価されるかもしれないそうです。
世の中の流れは大きく変わってきています。

周囲に同調するのではなく、自分ならではの考え、判断を持つ(P63)

ことが、これから評価される人の資質のひとつ。


さらに、個人的に衝撃だったのがこちら。
「お人好しの人ほど収入が少なくなる」という研究結果があるそうです。


アメリカ・コーネル大学の研究で約9000人を対象に協調性のテストと収入を調べた結果、協調性が高い人ほど収入が低いことが導かれたというのです。

研究では協調性には「信頼性=trust」「率直さ=straightforwardness」「迎合性=compliance」「利他主義=altruism」「謙虚=modesty」「優しさ=tender-mindedness」の六つがあるとして、これらを備えている人は収入が低くなりやすいことがわかった
(中略)
協調性があるために、そこに付け入られ、人から搾取されてしまうということが世の中では起きているということは知っておいていてもよい(P65)

自分の心身は自分で守る意識をもつ。そのためにも、まず「利己的」に、自分の幸福を大事にするということを意識
(中略)
そして利己的になり、もしくは自分を優先しながら、所属する集団の利益も最大化する方法を考える(P66)

引用部に出てくる6つの資質は、どれも「よいもの」「評価されるもの」と思っていませんでしたか?
むしろ、私などはせっせと高める努力をしていた気がします。
それなのに、これが足を引っ張るとは…とほほほ。


「いい人戦略」もほどほどにした方がよさそう。


まとめ

「嫌い」という感情は悪いものではなく、自分にとって気づきの宝庫。
「嫌い」を大事にすることで、自己肯定感も育てられる。

「家族が嫌い」「自分が嫌い」への対処法や、「嫌いなこととどう向き合うか」についても、ていねいに書かれています。

空気を読む脳 (講談社+α新書)』は専門用語が多くやや取っつきにくい印象でしたが、これはワンテーマでわかりやすく書かれています。

自分の中の「嫌い」に困っている人や、「嫌い」を抑え込みすぎて感覚がなくなっている人にぜひ読んでもらいたい本。
きっとどこかヒントになる言葉があるはず。
私のアクション:職場で「いい人」をやめる
■レベル:破 



次の記事は私の個人的メモです。興味のある方はどうぞ。※メモのスタンスはこちら
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