毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

[読書日記]読む力 最新スキル大全☆☆☆☆

「集中力が続かない」スマホ時代を逆手に取る情報の集め方&使い方


  • ポイント1  メディアを4つに分ける
  • ポイント2 ツイッターを専門家の情報収集メディアにする
  • ポイント3 あえて「マルチタスクワーキング」



◆目次◆
序章 まずは現代の知的生産に必須の「5つの大前提」を知る
第1章 まず「落とし穴」を見極め、「読むべきもの」を選別する──情報源をふるいにかける
第2章 ネットは「何を」見ればいいのか──良質な「プッシュ情報」と「プル情報」を同時に手に入れる
第3章 SNSをどう使いこなすか──「情報ツール」としてツイッターを使いこなす。SNSでの「プル情報」のとり方
第4章 選んだ記事をどう読み、どう整理・保存するか。情報整理の方法──「あとで読む」アプリを使う。「ポケット」が最強の理由
第5章 本は「何を」「どう」読めばいいか──本の見つけ方&選び方、具体的な読み方、名著を読むコツ、電子書籍&リアル書店の活用法
第6章 知識や情報を活用するカギは「2つの保存」を使い分けることだ──「4つのステップ」で、自分のための「知肉」を育てる
第7章 脳をクリアな状態にする「二刀流」のすすめ──日常の雑務を徹底的に効率化し、時間を捻出するために、ツールは何を使うか
第8章 散漫力を活用し「最適なインターバル」で仕事を回す!「マルチタスクワーキング」の秘訣──タスクを組み合わせ、「短い集中」を積み重ねる

ポイント1  メディアを4つに分ける

情報を得るにあたり、著者の佐々木さんはメディアを4つに分け、マトリクスを作ることをすすめています。
これが非常に新鮮でした。

「表面的だけど広いメディアか、奥深く掘り込んだメディアか」
「ものの見方が偏っているか偏っていないか」
という2つの区別(P34)

さらに

新聞、テレビでもインターネットでも、世の中にたくさんあるメディアは
1.ホリゾンタル(水平)メディア
2.バーティカル(垂直)メディア
じつはこの2つに分けることができる(P35)

そうです。


■ホリゾンタルメディア=網羅的にさまざまな出来事を押さえているけれども、同時に表面的であるメディア

通信社の記事、新聞の一面や社会面、テレビのワイドショー、大半のニュース番組、週刊誌などは全部これ(P35)

■バーティカルメディア=徹底的に掘り下げて分析するようなメディア

専門的な経済誌、『NHKスペシャル』『クローズアップ現代+』などのテレビ番組、テンターネットでは「東洋経済オンライン」「ダイヤモンド・オンライン」などの経済系メディア、「現代ビジネス」「文春オンライン」などの社会系メディア、学術系の「シノドス
何よりチェックすべきなのは、インターネットでは専門家が書いている個人のブログや、専門家が発信するSNS(P37)※一部要約


ホリゾンタル(広い)←→バーティカル(深い)、中立的←→偏見的の2軸でマトリクスを作る

ホリゾンタル×中立的=ニュースアプリ、通信社
ホリゾンタル×偏見的=新聞記事、テレビのワイドショー
バーティカル×中立的=ブログや専門誌などでの専門家の知見
バーティカル×偏見的=陰謀論(P38)


ホリゾンタルにもバーティカルにも、それぞれ「偏見」という落とし穴があることに注意。

このマトリクスを頭に置いて、「この記事はどこに当てはまるのか」を考えて読むだけでも、偏りを減らせるのではないでしょうか。

ポイント2 ツイッターを専門家の情報収集メディアにする

著者がすすめる「専門家の情報」を最も効率よく集められるのがツイッター。

以前、別の本でもツイッターで情報収集するやり方が載っていたので試したんことがあります。
翻訳本で、著者は確かアメリカの方でした。
日本のツイッターでは環境が違うのか、役に立つ情報はうまく拾えず、失敗に終わりました…。


なので、佐々木さんが毎日使っているこの方法は大変ありがたい。
間違いなく、日本で使えるやり方だからです。

5段階「ツイッター追跡メソッド」(P150-151)
1.その記事について、ツイッターでどうコメントされているか
2.それらのコメントは、専門的見地からのものか
3.それらのコメント投稿者のプロフィールはどうか
4.それらのコメント投稿者は乱暴な言葉づかいをしていないか
5.これらの基準をクリアした専門家はフォローし、リストに入れる


くわしいやり方は次の通り。
1.ある記事をネットで見つけたら、その記事のURLをTwitterの検索画面にコピペして検索、さまざまな人のコメントを読む

2.さまざまなコメントの中から、
「専門用語を使っているか」
「専門的な見地からコメントを書いているように思われるか」
という視点でコメントをピックアップする

専門用語を正しく使っているかは、その用語をGoogle検索することで事前知識が得られるそう。

しっかりとして権威のあるウェブを見て、専門用語の意味をざっと知っておき、コメントに使われているかどうかで、その人が門外漢か専門家か、ある程度はわかる(P154)

3.たとえば新型コロナについて調べている時、プロフィール欄に「感染症専門医」とあれば信頼性は最も高い。「医師」だからといって感染症にくわしいとは限らない

逆に「医師ですが、感染症専門医ではありません」とわざわざ書いている人の方が、信頼できる場合も多い。

4.「語り口調が冷静で客観的か」をチェックする。専門家になればなるほど、「断言しなくなる」のも判断基準になる

5.これらの基準をクリアしたら、フォローする。テーマごとにリストを作っておくと追いかけやすい



「専門家の群れ」の中で、どう評価されているのか見ておくのも重要なのだそうです。
見出した専門家が信頼に足るか、自分だけでは判断できない時、役に立つのは他の専門家たちがその人とどう付き合っているか。
専門家個人ではなく、「専門家の群れ」をウォッチする、と考えれば失敗が少なくなります。


ここで肝に銘じておきたいのは、「人は変わる。評判も変わる」こと。

新型コロナウィルスについて情報が少なかった2020年春頃、その時は専門家の見地としてわかりやすい情報を発信してくれていた人たちが、メディアにちやほやされたりした結果、(情報源としては)ダメになっていくことがあったそうです。


フォローした時と変わっていくこともあるので、「時間軸」で追いかけていくのが大切。

リストはいきなり完成させようとするのではなく、徐々に登録するアカウントの数を増やしていくのがおすすめです。

ポイント3 あえて「マルチタスクワーキング」

タスク管理の方法を探し続けている私にとって、このテーマは即役立つもの。


これからは「散漫力」の時代だ、と佐々木さんは書いています。

「散漫力」というのは、無理に集中しようとするのではなく、あえて「散漫さ」を逆活用することで、じつは生産性を高めることができるというもの(P335)

集中しなくても、「散漫さ」をうまくコントロールすれば、仕事はいくらでもこなせるようになる、というのですから素敵。

「散漫力」を活かすことで、「無意識の領域のコビトさんたち」も素晴らしく働いてくれるようになる、のだそうですよ。


――「コビトさん」についてくわしい説明はありませんでしたが、いわゆる「潜在意識にお任せ」というアプローチに近いと感じました。


くわしくはぜひ実際に読んでいただきたいのですが、アウトラインをまとめておきます。

■まず、仕事を2種類に分けます。

仕事には「舞い降り」と「タスク」の2種類がある(P338)
舞い降り=アイデアや発想をつくるような仕事
タスク=請求書やエクセルで資料をつくるような仕事

「集中」してはかどるのは「タスク」だけ。
発想を転換し「集中しなくてもタスクがはかどる」ようにすればいい、というのがこの方法の根幹。

すると、「タスク」もはかどるし、「舞い降り」もやってくるようになるそうです。


■「コンピューターはマルチタスクという方法で処理している」のはよく知られているとおり。
同時にいくつもの作業をしているように見えますが、実際には計算を細かく分け、切り替えながら順繰りにこなしています。


今までさんざん「マルチタスクは悪」と言われてきましたが、佐々木さんはあえてマルチタスク方式を採用。
その名も「マルチタスクワーキング」。これがうまく行くなら、痛快ですよね。

マルチタスクワーキングのやり方 ※私が要約したものです
1.タスクを棚卸しする
2.「重いタスク」と「軽いタスク」に分ける
3.息抜きの時間もはじめから入れる
4.軽いタスクからはじめ、重いタスクと交互に繰り返す
5.作業時間は自分で決める

5の「作業時間」では、なんとポモドーロテクニック全否定。「面倒くさい方法」「複雑な方法」は長続きしない、と書かれています。

「適切なインターバル」は人によって異なるし、その日の体調や気分によっても変わる。
なのに「25分+5分」を強制されるのは不自然だ、と言われれば確かにそんな気がします。


インターバルはその時々に応じて伸び縮みさせるのがいいのだとか。

インターバルはその日「一番重いタスク」に合わせるのがコツ。
たとえば、「一番重いタスクだと8分しかもたない」と思うのなら、8分にします。

この時、軽いタスクも8分にしたらもの足りなく感じるかもしれませんが、「もう少しやりたい」という気持ちが次につながります。

「もうこの仕事うんざりだ」という飽和感ではなく、飢餓感を持つことこそが、仕事を続ける原動力となる(P362)


しかも、飢餓感がある種の「フック」「引っかかり」となり、「舞い降り」がやってきやすいそうなのです。

「飢餓感」を大事にしつつ、気分を刷新し続けながら、次々仕事をこなしていく方が、絶対に効率がいいし、「舞い降り」もやってきやすい(P363)


インターバルはまず3分程度からはじめ、「最大15分」まで伸ばしていくといいそうです。
1日のはじまりは「まず3分程度」に設定しておいて、集中力が続くようなら「5分」「8分」「10分」「15分」と伸ばしていく。

「最大15分」は著者の場合。「自分のインターバルのマックス値」を把握しておくと、日々のタスクに取り組みやすくなります。

感想

この記事で取り上げた3つ以外にも、役に立つ内容がぎっしりの濃い本。
佐々木さんがジャーナリストとして幅広く仕事をするために蓄積してきたノウハウがほぼすべて紹介されていると言えます。

ここでは紹介できませんでしたが、名著・難解な本の読み方はぜひ試してみたい。
また、電子書籍(Kindle)に関する情報もくわしいので、その意味でもおすすめです。

ある意味『独学大全――絶対に「学ぶこと」をあきらめたくない人のための55の技法』と双璧と言える本。でも(相性ももあると思いますが)私はこちらの方が好きです。
今年のベスト10にノミネート入りしました。

こんな人にオススメ

■レベル:守 もっと情報収集&活用をうまくやりたい人に 

私のアクション:タスク管理アプリ「Microsoft To Do」を使ってみる♪


次の記事は私の個人的メモです。興味のある方はどうぞ。※メモのスタンスはこちら

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