富の最大化ではなく、人生の喜びを最大化する方法
- ポイント1 人生でいちばん大切な仕事は「思い出づくり」
- ポイント2 あと何年生きられるか、可視化しよう
- ポイント3 今しかできないことに金を使う
◆目次◆
ルール1 「今しかできないこと」に投資する
ルール2 一刻も早く経験に金を使う
ルール3 ゼロで死ぬ
ルール4 人生最後の日を意識する
ルール5 子どもには死ぬ「前」に与える
ルール6 年齢にあわせて「金、健康、時間」を最適化する
ルール7 やりたいことの「賞味期限」を意識する
ルール8 45~60歳に資産を取り崩し始める
ルール9 大胆にリスクを取る
- 読んだきっかけ
- こんな本です
- ポイント1 人生でいちばん大切な仕事は「思い出づくり」
- ポイント2 あと何年生きられるか、可視化しよう
- ポイント3 今しかできないことに金を使う
- まとめ
- 感想
- こんな人にオススメ
読んだきっかけ
ネットで本の検索をしていて見かけたのがきっかけ。
「ゼロで死ね」という帯のコピーに衝撃を受け、図書館で予約しました。
かなり待ってやっと読めました。
こんな本です
著者は1969年生まれ。コンサルティング会社CEOでありながら、ハリウッド映画プロデューサー、ポーカープレーヤーとしても活躍中。
長生きを目的としたクリニックで、医師から経済状態を質問された時、「死ぬまでに、金をすべて使い切りたいと思っている」と答えたことがきっかけで、この本は書かれたそうです。
「え?使い切って死ぬ?そんなことできるの?」と思った人。
「子どもに残さないなんて、強欲すぎる」「老後が心配で、使えない」という人。
――はい、全部答が書いてあります。
イソップ寓話「アリとキリギリス」の、アリとキリギリスの中間の生き方を目指す方法を教えてくれる本です。
ポイント1 人生でいちばん大切な仕事は「思い出づくり」
人生は経験の合計だ。あなたが誰であるかは、毎日、毎週、毎月、毎年、さらには一生に一度の経験の合計によって決まる。最後に振り返ったとき、その合計された経験の豊かさが、どれだけ充実した人生を送ったかを測る物差しになる(P44)
この言葉はテレビドラマ『ダウントン・アピー』の執事・カーソンの台詞だそうです。
「人生でしなければならないいちばん大切な仕事は、思い出づくりです。最後に残るのは、結局それだけなのですから」(P45)
生きていくにも、思い出を作るにも、お金がかかる。
でも、本当にそんなにお金が必要か考えてみましょう、というのがこの本の提案。
もっと早く仕事をやめてもいいかもしれない。習慣で何となく働いているうちに、貴重な経験ができるチャンスを失っているかも?
ポイント2 あと何年生きられるか、可視化しよう
「習慣で何となく働いてしまう」最大の理由は、自分に残された時間があとどれだけか、考えたことがないからだといいます。
70代になってもまだ節約に励んで貯金し、結局使えたのは資産のごく一部、それも延命措置だった、という笑えない話も。
人は死が迫っていないと、合理的な判断ができない。だから、今を最大限に楽しむことを我慢してまで、遠い未来のために必要以上の貯金をするようになる(P109)
……死に対して目を向けないでいると、永遠に生き続けるかのように振る舞ってしまう。人生の計画のバランスを取ることも難しくなる(P110)
著者のおすすめは、自分の推定死亡日までの日数をカウントダウンするアプリを使うこと。
楽しいものではありませんが、自分のゴールがどの辺にあるか、知っておいた方が人生を浪費しないですみます。
ある大学での心理学の実験が紹介されています。
こんな実験です。
一方のグループには、30日後にキャンパスから遠く離れた場所に引っ越すことを想像させ、その後の30日間の行動を計画させた。
もう一方のグループには、特に何も指示はせず、ふだん通り過ごさせた。すると、30日後に引っ越すことを想像したグループの学生は、そうでない学生に比べて幸福度が上がっていた。
残された時間が少ないと想像するだけで、学生たちは充実した時間を過ごせた。
つまり、
「人は終わりを意識すると、その時間を最大限に活用しようとする意欲が高まる」
ということです。
だから、自分の人生の残り時間を意識しよう。それが現在の行動に大きな影響を与えるはず、と著者は書いています。
ポイント3 今しかできないことに金を使う
著者の人生の指針・原則はこれ。
金を無駄にするのを恐れて機会を逃すのはナンセンスだ。金を浪費することより、人生を無駄にしてしまうことのほうが、はるかに大きな問題(P19)
人生にいくらかかるのか、試算してみましょう。
どこに住むのか、どんな趣味を持ち、どんな経験をしたいのかによって、必要な額は変わってきます。
――そう考えれば、誰でも一律「2000万必要」なんてのは暴言だとわかりますよね。
重要なのは、「健康、時間、お金」のバランスを取ること。
年をとると、体力が落ちてお金を使う経験ができなくなります。
だから、「健康で体力のあるうちにお金を使う」計画を立てる。
年代別バケットリスト(死ぬまでにやりたいことリスト)を作るのがおすすめです。
実は「高齢になるほど金を使わなくなる」というデータが出ているそうです。
アメリカの消費者支出調査(2017)によると、
世帯主が55-64歳世帯の平均年間支出は65,000ドル
65-74歳世帯は55,000ドル
75歳以上は42,000ドル
しかも、これは医療費も含めた支出額だというのだから驚きです。
著者の考えた計算式だとこうなります。
死ぬまでに必要な費用=1年の生活費×人生の残りの年数×0.7
投資で年に3%の利息が付く、という計算だそうです。
実際には、この金額を貯めたとたんリタイアする人はいないと思いますが、「最低限の生活費は確保した」という安心感を得ることで、資産を使うタイミングを最適化できます。
経験を楽しむには、金だけではなく時間と健康も必要だ。老後資金を必要以上に増やそうと働き続けると、何か(金)は得られても、それ以上に貴重なもの(時間と健康)を逃してしまうことになる(P225)
お金だけあっても、使える元気と時間がなければ、なんの意味もありませんよね。
まとめ
- 必要な準備はしっかり行い、その上で「お金を使い切って死ぬ」ことを目標にしよう
- 自分に残された時間を知り、思い出をたくさん作ろう
- 年をとって動けなくなった時、一番最後まで残るのは「経験の記憶」
- 子どもに残すなら、自分が生きているうち、子どもが一番必要な時に渡す
感想
「ゼロで死ぬ」と聞いて、ものすごくセンセーショナルな内容かと思いましたが、予想よりはまっとうな内容でした。
ただし、「とにかく貯金するのがいい生き方」と思って生きてきた人にはやはり衝撃的。
せっかく時間と命を削って貯めたお金を、結局使えずに人生を終えるのはもったいない。
さっそく「バケットリスト」を作りましょう。
まずは、自分が望む経験を把握することから。
こんな人にオススメ
■レベル:破 考え方としては斬新。でも、どれだけ取り入れるかは別として、読めば納得の内容です
私のアクション:寿命カウントダウンアプリを入れる♪
※これにしました。寿命年齢を自分で決められるのが決め手。人生の残り時間の24時間表示が怖い…。
節約ばかりしていると、その時にしかできない経験をするチャンスを失う。
— やすこ (@yasuko659) 2023年4月19日
——
人生の充実度を高めるのは、“そのときどきにふさわしい経験”……モノを買った幸福はその時だけ、経験の幸福には思い出という「再配当」がある
ビル・パーキンス『DIE WITH ZERO』#読了 #本が好き #ダイヤモンド社 pic.twitter.com/1dZj3ABJbe
次の記事は私の個人的メモです。興味のある方はどうぞ。※メモのスタンスはこちら
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