「やめていいんだ!」と驚き、読んでみたいと思っていたらタイミングよく家族が借りて来ました。
やさしい口調で書いてありますが、なかなか刺激的な本でした。
- ポイント1 「自己中」で行こう
- ポイント2 「小さなひと振り」から始める
- ポイント3 「フラットに接する」は最強の切り札
◆本の目次◆
はじめに 目の前のことに追われ続けているのに「全部、手放せない」あなたへ序章 自分に“バカ正直に”生きる方法――「やめる」という選択
第1章 人生の「見えない重荷」を“見える化”する
第2章 「自己中」戦略で豊かに生きる
第3章「やめる」技術
第4章「ありたい自分」になるおわりに 自分が思う道を進め
こんな本です
著者の澤円(さわ・まどか)さんは、日本マイクロソフトの元業務執行役員。
「プレゼンテーションの神様」とも呼ばれる人。
寡聞ながらこの著書で初めて知りましたが、著名な方で、本も何冊も出されています。
ensow.jp
2020年8月、コロナ禍中にマイクロソフトを辞めたという澤さん。
「えー、もったいない!」とたくさん言われたそうですが、それがそもそも埋没コストだよというのがこの本のテーマです。
埋没コストとはなにか?…簡単にいうと、過去にうまくいった考え方や方法を続けているうちに、思考パターンがその過去に固定化されるということ。その結果、いつの間にか過去の延長線上でしかものごとが考えられなくなる状態を指します。
これを僕流に言い換えると、「せっかく○○したのだから」という言葉で表せる思考や行動パターンになります(P3)。
変化を嫌う人は多いですが、変わらなければどんどん埋没コストになっていくのです。
気づかないうちに埋没コストになっているものを見直し、手放してみませんか?
「ありたい自分」を思い出し、それに向かって生きていく方が楽しいよ、という本です。
ポイント1 「自己中」で行こう
世の中はコロナによって大きく変わりました。
そこまで急に変わることはめったにありませんが、少しずつ変化していくのが常。
たとえば、コンピューターが一般的になる前は、ソロバンや電卓を使って計算する能力は重要視されました。
少し前までは、キーボード入力のスピードは仕事のスピードに直結しましたが、今は音声入力の能力が上がっています。
近いうちにタイピングなど必要なくなるかもしれません。
――今のスキルですら埋没コストになる時代なのです。
移り変わる世の中に合わせようとすると、振り回される。
未来予測は正確には誰もできません。
「もう、世の中についていくのはやめて、自分が好きなものを突き詰めた方がよくない?」
というのが、澤さんの提案です。
自分の好きなものを信じること。
自分が世界の中心だととらえ直し、「自分のまわりは自分の好きなもので満たしていい」と自分自身に信じさせてあげること。これが、あなたが前に前にと進んでいく第一歩(P122)
「自己中」というとわがまま、周りに迷惑をかける人、というイメージですが、澤さんによるとそれはちょっと違います。
人間が持つ3つの本質(P125)
- 「自分は重要な人間だ」と思いたい
- 興味の対象は何よりも「自分自身」
- 「返報性」という自然の法則
――人は基本的に「自己中」なんですね。
みんな自己中なので気にすることはないそうです。
もちろん、自分が自己中でいるなら、他の人の自己中も認めるのが自然。
お互いを尊重し合える「自己中」が、澤さんのおすすめです。
ポイント2 「小さなひと振り」から始める
「知る」「学ぶ」は昔よりぐっとラクになりました。
ネットで調べれば、短時間である程度の知識は身につきます。
すると、足りないのは圧倒的に「行動」。
「まず打席に立つ」ことが大切です。
なぜなら、やってみなければわからないことがあるから。
ただし、いきなりホームランを狙わなくていい。
「小さなひと振りから始めて、試行錯誤する」のがいいそうです。
「覚悟を決めて、退路を断つ」必要もありません。
引き返す場所を用意しておき、嫌なら戻ってくればいい、と澤さんは書いています。
他にもルートがないか、探してみるのも大切。
複数選択肢があれば、冷静によりよいルートを選べますよね。
ポイント3 「フラットに接する」は最強の切り札
個人的に印象に残ったのがこちら。
澤さんは人によって態度を変えるのが面倒なので、誰とでもフラットに接していただけといいます。
でも、これができる人は案外少なそうです。
「世の中の常識」に縛られている人はなおさら。
自分がフラットにしておけば、少なくとも悪いことは起きず、いいことが起きる確率が上がっていきます。「たまたま」が、いいほうへ転がりやすくなるのです(P225)
誰とでもフラットに接することで、いい出会いやいい出来事も増えるそう。
古い時代の価値観のままの人ほど、肩書きなどで丁重に扱ってくれないことに不満を持つそうです。
それが「今後、自分が深く付き合える人かどうか」のバロメーターになるかもしれません。
まとめ
もう本当に「自分の好きなもの」を大事にしていい時代になったんだ、というのがよくわかる1冊。
「自分」を大切にし、フラットに人と接し、お互いをリスペクトできる「個」の時代になってきたんですね。
記事の中では紹介できませんでしたが、
「つまらない会議や日報など、既存の何かをやめるには、それ以上の価値を提供すればよい」
というのは目からウロコでした。
たとえば、
- 会議に出ない分、売上を上げる
- 日報をやめるなら、代わりに「自動的に必要なデータを集計するしくみ」を作るなど
何かを変えるにはエネルギーが要ります。
でも、少しずつ「ありたい自分」に近づいていくために行動すればいいんだな、とわかればハードルが下がります。
今の状況が楽しくない方、何かを変えたい方はぜひ読んでみてください。
私のアクション:優先順位をトランプのカードでイメージして決める*1
■レベル:守
「選択肢は無限にある」というマインドを意識して持ちましょう。あなたがなにかをできないのは…「やっていないだけ」…あるいは、数回の失敗で自信をなくしてしまっているだけ
— やすこ (@yasuko659) 2022年3月18日
——澤円『「やめる」という選択』
まず打席に立つ。行動してから考えるとハードルが下がる#読了 #本が好き #日経BP pic.twitter.com/aLCVXYejbW
次の記事は私の個人的メモです。興味のある方はどうぞ。※メモのスタンスはこちら
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*1:くわしくはメモをご覧ください