毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

時間を要領よく使うコツ☆☆☆☆

「思秋期」の生き方』の著者プロフィールに、時間術の本が紹介されていたので読んでみたくなり、地元の図書館で探してみたが、残念ながら在庫なし。
ネットでうろうろしていたら、同じ和田秀樹さんが書いたこの本がヒットした。こちらは図書館にあり、アマゾンの評価も非常に高かったので読んでみた。
「要領のよさ」が光る本だった。


◆目次◆
1章 時間を作る
 01 時間は万人公平の財産、使いこなさなければ損だ
 02 八分の力で時間的余裕を生みだす見切り・思い切り術
 03 あるある、こんなにある無駄退治で自由時間倍増
 04 他人の時間を失敬、失敬、それでも誰も怒らない
2章 時間を使う
 05 死んだ時間が生き返る「ラベル貼り」の威力
 06 時間のやりくり名人ご愛用「時間の家計簿」を使え
 07 この仕事の段取り術なら、同じ時間で数倍こなせる
3章 時間を楽しむ
 08 存分に楽しんで時間ができる「うまい話」が本当
 09 知らずに自分の時間効率が急上昇する自己操縦法
 10 苦手・見栄・背伸びを捨てたとたん時間がザクザク
 11 君子危うきに近寄らず、こんな「時間」に深入りするな
4章 時間を買う
 12 時間をお金で買って失敗しないための心得
 13 同じ一時間がこの発想転換で何倍にも増える
 14 時間給発想から出来高発想に切り替えろ
5章 時間を味わう
 15 自分の時間リズムにノれば仕事・人生の波にもノれる
 16 仕事のはかどる「時間」を作り出す日常生活の知恵 
 17 時の流れに、ゆったりと身を任すのも豊かな時間術

最近何冊か続けて読んだので、和田秀樹さんの守備範囲の広さには驚いた。精神科医であり、アンチエイジングのクリニックを経営し、受験対策の本を書いたり教育システムを作ったり、さらには映画まで撮られたのだそうだ。

「時間の使い方は忙しい人に聞け」は鉄則だ。この本のポイントは、「完璧を目指さない」「苦手なことは人に頼む」「名より実を取る」など、徹底した実利主義だ。さすがは受験のカリスマだと思う。ついつい何でも完璧にやりたがる私には、耳の痛いアドバイスがたくさんあった。


また、一番印象に残ったのは「時間にラベルを貼る」こと。
ダラダラと過ごしてしまい、何も残らなかった…、とか「何してたんだっけ?」ということがないよう、「この時間は○○の時間」と決めてしまうといい。もちろん、休憩や遊びの時間も堂々と取る。そうやってメリハリをつけることで、内容の濃い時間を過ごせるようになるのが狙いだ。
「時間家計簿」を1週間ほどつけて時々検証すると、さらに無駄のない時間の使い方ができるという。


細かなノウハウというよりも、考え方が私には役に立った。
「これ1冊あれば時間術は完璧」という評価もあった本。いろいろハックはやってみているものの、結果が伴わない、という人は、やや古い本ではありますが一読の価値があります。
私のアクション:「時間のラベル貼り」を心がける
関連記事
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読書日記:『レバレッジ時間術』
時間トラッキングをやってみた※15分刻みの「時間家計簿」的なものを試した記事


以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。※メモに関してこちらをご覧ください。

「見切り」「見極め」の目を磨く(P37)

せっかくお金を払って見始めた映画でも、つまらなければさっさと映画館を後にして、その時間を、他にやりたいと思っていたことに当てればよい。
社会人なら、お金よりも時間の方がもったいないことの方が多い。わずかな自由時間をより有意義に過ごすために、「見切る」というワザがものを言う。
「見切り上手」こそが、「時間上手」になれる。

高すぎる目標は下げる(P39)

すべてを完璧にしようとするのは大変な時間がかかる。ちょっと目標を下げるだけで、ぐんと時間は短縮される。
そこから得られる余裕の方が、その人が目指す最終目標に、かえって無理なく近づける近道になることの方が多い。

常に100%を求めず、80%でよい(P41)

要領が大事。そこそこできたら満足、とするのが要領の第一歩。
(中略)
いつも、さらに飛躍できる余地と余力を残しておく。
(中略)
完璧な計画はあり得ない。計画は緻密すぎるほど身動きが取れなくなり、予定が変わった時に対処できなくなる。いつも臨機応変に動けるように、逃げ道を残しておく。

時間を使えるタイミングにやる(P55)

例)メールを開くのは、返事を書く時間のある時だけ。

今取った「メモを見返す」作業をきちんと行う(P61)

これが時間術との関わりでもっとも大きなポイント。
話が終わったら可能な限り早く、帰る道すがらでもいいので、メモを見返し、話を思い出しながら「補足メモ」を記入しておく。

やってみると意外に簡単な作業。聞いたばかりの話を思い出すのはそれほどむずかしくないし…内容の理解が何倍も深まるというメリットになる。
1時間の談話メモを、直後に10分見返し補足するだけであとで何時間もかけて思い出す以上の効果が上がる。

時間を使うのを「投資」として考える(P65)

(お金の使い方を)投資として見ている場合は、これはコストパフォーマンスがよかった、これはコストパフォーマンスが悪かった、と評価できるようになり…対象を投資と考えた時に初めて研究が始まる。反省が始まり、勉強が始まる。

投資と思ったとたん、損した・得したという評価が生じ、損をした場合は次から損をしないために何をどうすればいいか、を考えるようになる。

「時間にラベルを貼る」と、目的意識がハッキリする(P92)

大きく分けても時間には「お金を稼ぐ時間」と「お金を使う時間」のふたつの面がある。このラベルだけでもハッキリさせれば、稼ぐべき時は稼ぎ、使うべき時は使うというメリハリがつく。
つまり、時間を効率よく使う時に不可欠な、目的意識というものが「ラベル貼り」によって一段とハッキリする。
仕事の合間の休憩も、自分の意識に「休憩中」のラベルを貼ってしまうことで、休憩という時間が有効になる。

好きなこと、やりたいことはご褒美に使う(P140)

やりたいことはご褒美として残しておいて、それをやるために時間をどう使うか考える。
楽しみを軸に毎日の過ごし方を考えることで、義務的な仕事も楽しくこなせる。

「時間を読む」とは、まず「時間の読めないもの」と「時間の読めるもの」を見極めることから(P167)

何のために時間を作りたいのかを明確にしてから時間づくりをしないと、有効な時間の使い方はできない(P194)

基礎固めに時間とお金をかければ、よりよいやり方が見えてくる(P203)

物事を処理するためには、基礎を着実にこなすことが先決で、あとは飛躍的に伸びるという結果を待てばよい。
たとえば英語でも、受験レベルの6千語を一気に覚えようとするよりも、基礎の2千語をしっかり覚えることが先決。これがきちんと理解できていれば、長文を読解するにも大意がつかめるし、辞書を調べる手間もずっと少なくなって、結局は効率的に学習できる。勉学に限らずどんな物事でも、「時間効率を考えるなら先行投資をして基礎を固める」のは同じ。

時間給発想から、出来高発想に切り替える(P205)

「時間の長さではなく、勉強や仕事の量で目標を立てること」は、「時間給」と「出来高払い」の違いに通じる。
つまり、時間を合理的に使うには、矛盾するようだが時間を主役にしないこと…つまりこなした量を基準にする「出来高」的発想に切り替える。

「集中力のなさ」をプラスに転じる(P218)

集中力を無理に高めようとせず、他人より長続きできないことをうまく生かす方法を考えればよい。
短い時間をいかに充実させるか、どう積み重ねていくかを工夫する方が生産的。
中身を細かく切って締切時間を設定しておくと、集中力はさらに高まり、短時間に密度の濃い仕事ができる。

朝からすぐ仕事モードに入るコツ(P219)

著者は前日の仕事の終わりの部分をあえて翌日に持ち越すようにしている。
逆に、翌日の仕事に少し手をつけておくのも効果的。

仕事のタイプによって環境を整えると、やる気が出て能率が上がる(P235)

「書く」「読む」「考える」「練る」「調べる」など、仕事のタイプごとに、自分はどんな環境だと効率が上がるのかを考える。
仕事環境を大事に考えることで、仕事の質と能率を上げられる。

狭いところの方が落ち着くとか、本に囲まれていないと原稿が書けないなど、人によっていろいろな好みがある。それを、仕事の内容に応じて自分に一番合った環境を設定することでやる気につなげる。