毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

「これからの世の中」の指針にできます☆☆☆

喜び勇んで借りてきて読んだ。期待を裏切らない、面白い本だった。

 

◆目次◆
まえがき
第一章 イワシ化する社会
第二章 努力と報酬について
第三章 拡張型家族
第四章 身体ベースの人間関係を取り戻す
第五章 贈与経済、評価経済
第六章 日本の豊かな潜在力
第七章 恋愛と結婚
あとがき

「まえがき」を書いたのは岡田さん、「あとがき」は内田センセイ。
岡田さんによれば

 この本は対談本というテイを取っていますが、実際は「内田樹ファンの岡田斗司夫が、内田さんに直に話を聞く機会を得て大はしゃぎでいろんなことを聞く」という内容になっています(P11)

だそうだ。

 

お二人は「言語化の双璧」だと思っていたが、この本でもそのすごさが堪能できる。“若者はなぜ人といる時でもケータイをいじるのか”を解説する岡田さん、なぜ教育が必要かについて迷うことなく断言する内田センセイ、どちらも切れ味鋭く、スカッとする。

 

立ち位置も考え方も違うお二人だが、未来に関する考えはとてもよく似ている。内田センセイは『贈与経済』(持つ者が持たざる者をケアすることで回る)、岡田さんの『評価経済』(いい人であることが資産になる)、名前は違うが深いところでかなり一致。

普通、未来予測といえば社会がどうなるとか、経済の発展がどう、といった大きなものが多い。
「実際には、どう生きればいいのか」がなかなか見えてこない。
この本はその疑問に確実に答えてくれる1冊だ*1

 

キーワードは「疑似家族」だと思う。実際に内容にも出てくるが、血がつながっていなくても家族的な集まりを作って生きていく。または、いろんな人と家族的なつき合いができるようなパーソナリティがを持つ。
“誰からも好かれるかわいいおばあちゃんになる”が戦略的老後対策のひとつだと聞いたことがあるが、それの拡大版と言えばいいだろうか。
年を取る前からやればいいんですよね、早い話が。

誰かに助けてもらえるようなコミュニティ、またはコミュニケーションの取れる人たちがいれば、必要以上にお金を貯め込むことも、老後の心配ばかりしなくても何とかなるのではないか。

 

「雪かき」「いい人」など、おふたりの今までの自論もそこここに見られるので、読んでいて楽しめる。

これからの生き方として、知っておいて損はありません。ピンと来た方はぜひどうぞ。
私のアクション:(疑似じゃないけど)家族に対して「この8語」をちゃんと言う

 

 

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以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。※メモに関してこちらをご覧ください。

「努力と報酬が相関する」は嘘(P54)

内田 努力と報酬は原理的に相関しないの、全然。するときもあるかもしれないけど、それは例外。
(中略)
岡田 学生にもさんざん言って初めて「報酬は運である」って少しわかってもらえる。運だからこそ、成功したら他人に回さないといけないわけですよね。でないと運であるものを自分ひとりが取ったらネコババです。で、ネコババはバチが当たりますってのが昔からの教えですからね。
内田 本来自分に属さないものを自分が得たってことだからね。

「家族制度」この8語でもつ(P111)

内田 とりあえず、おなじ空間に寝起きして、「おなじ釜の飯」を食う。「おはよう」「おやすみ」「いただきます」「ごちそうさま」「いってきます」「いってらっしゃい」「ただいま」「おかえり」その8語を家族全員が適切なタイミングできちんと口にできるだけで、家族制度は充分もつと思うけど。

身体性を取り戻すには単純で原始的なことに取り組むしかない(P127)

(子どもたちを)黙って田舎連れて行って、3ヶ月くらい里山の自然の中に放り込む。そこではとにかくお掃除をさせる。廊下のぞうきんがけ、トイレ掃除、庭掃除。有無を言わさず掃除させる。そして、掃除の無意味性の前に愕然とする、と。
岡田 はい。確かに意味がない。
内田 だって、掃除してもすぐまた汚れるから。一時だけなんですよ、きれいなのは。掃除した次の瞬間から汚れはじめていく。世界に無秩序が侵入してくるのを必死に防ぐんだけども、押し戻したはずの無秩序はすぐ戻ってくる。人間の生きる世界で、人間的な秩序を保つというのはエンドレスの作業なんだけど、お掃除してると、その宇宙の真理に目覚めるわけ。
(中略)
…それがたいせつなんですよ。「なんだよ、掃除ってエンドレスじゃん」て気がつくことが。そのとき初めて、意味がないように見えるもののなかに意味がある、はかなく移ろいやすいもののうちに命の本質が宿っているということがわかる。

*1:岡田さんの他の著書に『「いいひと」戦略』など、もっとくわしいものがありますが