毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

バイアスをゼロに近づける考え方☆☆☆☆

家族が借りてきた本。「0ベースで考える」は、行動経済学などの本でよく出てくる基本のセオリーだ。
「理屈はわかっているんだけど、なかなか…」と思いながら読んでみた。

いかにも欧米で人気の出そうな、パンチが効いて読みごたえのある本だった。
「なかなか…」という気持ちを行動に変えられそうだ。


◆目次◆
第1章 何でもゼロベースで考える――バイアスをゼロにしてアプローチする思考法
第2章 世界でいちばん言いづらい言葉――「知らない」を言えれば、合理的に考えられる
第3章 あなたが解決したい問題は何?――問題設定を変えて、すごい答えを見つける
第4章 真実はいつもルーツにある――ここまでさかのぼって根本原因を考える
第5章 子どものように考える――「わかりきったこと」にゼロベースで向き合う
第6章 赤ちゃんにお菓子を与えるように――地球はインセンティブで回っている
第7章 ソロモン王とデイビッド・リー・ロスの共通点は何か?――庭に雑草を引っこ抜かせる方法
第8章 聞く耳をもたない人を説得するには?――その話し方では100年かけても人は動かない
第9章 やめる――人生を「コイン投げ」で決める正確なやり方
訳者あとがき

経済学者とジャーナリストの共著で、これが3冊目。
ヤバい経済学』『ヤバい経済学*1は世界的ベストセラーになっている。

前の2冊では、データを使って世の中の陰に光を当てた、面白い話をさまざまに紹介しているそうだ(私は残念ながら未読)。
今回は、そのもとになっている「斬新な視点から世の中を読み解く方法」のヒントを提供するのが主な目的だという。

 ぼくたちの考えは、いわゆる経済学的アプローチにヒントを得ている。
(中略)
 経済学的アプローチっていうのは、もっと幅広くシンプルな考え方だ。直感や主義主張は脇にどけて、データをもとに世の中のしくみを理解し、どんなインセンティブがうまく行くのか行かないのか、また具体的な資源や、観念的な資源がどう配分されるのか、資源が手に入りにくい原因にはどんなものがあるかを明らかにしようとする方法をいう(P21)。
※元の文には資源に関する説明が括弧書きで挿入されていますが、省略しています

ただ、ハウツー本ではない。どういう考え方をすればいいか、ということはたくさん例示されているが、手取り足取りを期待するとがっかりする。


読みものとして単純に面白い。それは、「ストーリー」を伝えれば、そこにある考え方も印象に残りやすい、と著者たちが考えているからだ。
翻訳も読みやすさに一役買っていると思う。かなりくだけた感じの訳だが、違和感なく読めるし、分量がたっぷりあるのにうんざりせずに最後まで楽しく読めた。


いかにバイアスを外してフラットに考えるか、どんな風に考えれば見当外れの解決策ではなく、問題の本質が見えるのか、学ぶことができる。
特に「知らないと言う」「子どものように考える」「大きな問題より小さな問題を考える」などは印象に残った。

デイビッド・リー・ロスがヴァン・ヘイレンのツアーの契約書で「m&m'sの茶色は絶対に入れるな*2」、と書いてあった理由が出色。ぜひ読んで確かめてみてください。
私のアクション:「当たり前」を疑ってみる

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以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。※メモに関してこちらをご覧ください。

問題を解決しようとする時、真っ先にやっ方がいいのは、道徳のコンパスをしまい込むこと(P48)

…問題が道徳的に正しいか誤っているかにとらわれると、本質が見えなくなることが多い。

あえて無知な状態に自分を置く(P125)

企業や組織に呼ばれ、部外者として問題に助言することがある。そういう時は、相手のビジネスの事情をほとんど知らない、ゼロベースの状態で出かけていく。そして、結果的にお役に立てたケースのほとんどが、最初の数時間に思いついたアイデアを追究した時なのだ。

それは失敗ではなく、「袋小路の発見」である(P248)

理由は何であれ、僕たちがその研究を行うのに適任じゃないとわかったら、すっぱりやめる。リソースは無尽蔵にあるわけじゃない。今日の失敗を打ちきりにしなければ、明日の問題は解決できないのだ。

やめれば免疫機能が上がる(P258)

達成不可能な目標を断念した人たちは、身体的、精神的によい状態にあることに研究者は気づいた「たとえば、うつの症状やネガティブな感情が少ない」と彼は言う。「それに(ストレスを感じると分泌量が増加する)」コルチゾール値が低く全身性萎縮がおきにくいなど、免疫機能が高かった。また身体的健康を長期的に害することも少なかった」

*1:リンクはどちらも「増補改訂版」です

*2:食べもの飲みものに関する事まで、実に細かい付帯条項があったそうです