かなり刺激的な本だった。
◆目次◆
はじめに
CHAPTER1 速くてムダのないシンプル仕事術
CHAPTER2 頭がクリアになる情報の整理法
CHAPTER3 致命的なミスを防ぐ賢いダンドリ
CHAPTER4 チームの成果を最大化する仕組み
CHAPTER5 視野を広げてビジネスを設計する
あとがき
経歴を見ると、著者の清水亮さん*1は相当の切れ者と思われる。高校時代にすでに雑誌に連載を持ち、「天才プログラマー」のお墨付きももらっている、すごい人だ。
この本は企画を持ち込まれて書いたものだという。その企画に沿って書かれているからか、相当「上から目線」の印象を受ける。
社会に出たての頃、ちょっとだけSEだったので、プログラマのものの見方はある程度わかる。私は面白く読めたものの、そういう経験のない人にはどう感じられるのかやや不安。この本を読んだ家族は、「プログラマってそんなに偉いの?」と言っていたので、頭に来る人もいるかもしれない。
内容は目次を見ればわかる通り、かなり幅広い。著者は独立して会社経営もされているので、非常に視野が広い。
おそらく、「プログラマから何を学びたいか」と考えた時に一番イメージされる内容は、3章だろう。
だが、全体を通して、「プログラマのものの見方」はとても新鮮に感じた。
本当の情報はWebには載っていないとか、トレードオフの考え方とか、「ブロガーは情報を先払いすることで情報を集める仕事」という捉え方など。
今まで考えたこともなかったが、工程管理などもあるのでチームの進め方も慣れているし、案外プログラマ経験者は経営に向いているのかもしれない。
著者はご自分の肩書きを「コミュニケーション・アーキテクト」と名乗っているそうだ。
「アーキテクト」とは建築家のこと。または大工の棟梁も指すことがあるという。
プログラマは時間と空間を同時に見ることができ、構造物としてソフトウェアを構築する。
そういう頭の使い方をする職業はあまりないだろう。
だから、ムダのない合理的な仕事や、ひいては経営もできるのだと感じた。
もちろん、本を読んだからといってすぐに「プログラマの視点」は身につかないが、“こういうものの見方がある”と知っていることは大きい。
細かいノウハウも特に前半には出てくるが、ぜひ「プログラマの視点」がどんなものなのか知るために読んでほしい本。
「最適化」はこの業界ではよく言われる言葉だが、“ムダなく、一番合理的なしくみを作ること”と考えればいいと思う。
「最適化を考えると、結果的に最速になる」仕事術。
「上から目線」に耐えられる方はどうぞ。
私のアクション:今やっている仕事を「プログラマの目」で見る
■レベル:離 プログラマ独自の「ものの見方」に触れられます
次の記事は私の個人的メモです。興味のある方はどうぞ。※メモに関してこちらをご覧ください。
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*1:ご自分のサイトが見当たらないので、比較的ちゃんとしていると思われるサイトをリンクしています