毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

「自分の性質が土台にないと、幸せな毎日は成り立たない」☆☆☆☆

何とか習慣をつけることはできても、なかなか維持できず、ちょっと気を抜くとゼロに戻るのが悩みだった私。
面白くて新鮮な発見も多く、ボリュームがあるのにスルスルと読んでしまった。


 

◆目次◆
はじめに〜「習慣を変えれば人生が変わる」と断言する理由
Part1 知る
Part2 身につける
Part3 変わる
Part4 断つ
Part5 発見する
最後に〜手に入れる
訳者あとがき
「四つの傾向」診断テスト

著者は作家だが、習慣に関して長年研究を続けていて、それをまとめたのがこの本。
専門家でも科学者でもないため、評価はあまり高くないようだが、私にはドンピシャの本だった。

この記事のタイトルは、著者が習慣を変えることについて研究した結果、一番大事だと思ったことだという。

習慣を作り、自分のものにするためには、まず自分を知る必要がある。ほかの誰かと同じ習慣を真似したからといって、その方法で万人が成功すると思うのは間違いだ。同じ人間は、誰一人としていない。…自分を知るのに行動を変える必要はない。自分のことを正確に見つめることさえできればいい(P26)。

人に合うからといって自分に合うとは限らない。ある成功者がこれでうまく行った、と書いていても、それを鵜呑みにしてはいけない。
万人向けの方法はないのだ。

収納・片づけに関する本を読み続けていて、なぜこうもいろいろな方法があるのか今まで不思議に思っていたが納得できた。いろんなタイプの人が“自分に合っていた方法”をそれぞれ本にするからだ。
だからこそ、自分のタイプを知り、自分に合った方法を真似した方が成功する可能性が上がる。

 

その「タイプ分け」の基準になるのが巻末の「4つの傾向」診断テストだが、これには注意が必要。
アメリカ人向けだからか、質問の数が足りないのか、4つともほとんど数が同じ結果になってしまい、これだけでは判断できなかった(借りて来た家族も私も)。
結局、文中にたびたび登場する4タイプの特徴を読みながら判断した。
または、周囲の人に聞いてみるとわかりやすいかもしれない*1

・アップホルダー(約束を守る人):外から課される期待と自分で課す期待の両方に進んで応えようとする。
・クエスチョナー(疑問を持つ人):あらゆる期待を疑問視し、自分で正当だと判断した期待にだけ応えようとする。
・オブライジャー(義務を果たす人):外からの期待には進んで応えるが、自分で課す期待にはうまく応えられない。
・レブル(抵抗する人):外からの期待、自分で課す期待に関係なく、あらゆる期待に反発する(P29)。

著者自身はアップホルダーという比較的少ないタイプだそうだが、著者のブログ読者のエピソードがたくさん紹介されているので、それ以外のタイプもまんべんなく解説されている。

この本には「4つの傾向」以外にも、自分がどんな傾向を持つ人間なのか見極めるような質問がたくさん出てくる*2
自分に向き合う作業は面倒で避けたくなるが、ここをしっかり見極めた方が、成果は上がるはず。

 

かなり分厚く、読みごたえがある本だ。レビューの中には「長い」「無駄な部分が多い」というものもあったが、この辺は好みの分かれるところだろう*3
マニュアル的な、簡潔に教えてくれる本が好みなら、“いいから早く結論を教えて”と感じるかもしれない。

私も、「もう少し整理したら、ボリュームを2割くらい減らせるのでは?」と思った。ただ、いろんな人のさまざまな例が挙げられていたのは、発見が多くてありがたかった。

 

著者の言う習慣化のポイントは
・自分のタイプを見極め、合う方法を選ぶこと
・決断を減らし、エネルギーを使わなくても維持できるようにすること
の2点。

こんなにも「決断を減らすこと」「自制心のムダづかいを減らし、エネルギーを温存すること」が大切だとは今まで知らなかった。
そういう観点から「習慣をつくる」ことを考えると、身につけ方、続け方が変わりそうだ。

 

個人的には、“習慣はつけるのは地道で長い作業が必要だが、消えるのは一瞬”という実感がある。
この本には長続きさせるための戦略もたくさん紹介されている。
新たに習慣を身につけたい人はもちろん、身につけることはできても維持できないという人にもお勧めです。

翻訳物が大の苦手な家族が読み通せたし(時間はかなりかかってましたが)、自然で読みやすい訳だと感じました。
私のアクション::「ブログを溜めずに書ける習慣」をつくる計画を立てる
■レベル:破

 

次の記事は私の個人的メモです。興味のある方はどうぞ。※メモに関してこちらをご覧ください。

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※一見「習慣」とは違うジャンルのようですが、この本で書かれている「決断しない、意識しなくてもできる」という状態は、「仕組み化」や「行動科学」にとても近いものを感じました。


*1:家族は自分のことを「オブライジャー」だと思っていましたが、いろいろ例を挙げて「アップホルダー」だと納得させました。「オブライジャー」は毎日自発的にランニングできませんし、子どもの前で赤信号を渡れません…

*2:たとえば朝型か夜型か、アウトドア派かインドア派かといったことから、始めたい人か終わりたい人か、たくさん買いたいか、できるだけ買い控えたいかといったことまで

*3:欧米の読者は「長ければ長いほどお得」と感じる人が多いから本がものすごく分厚い、と聞いたことがあります…