
- 作者:樺沢紫苑
- 発売日: 2020/09/03
- メディア: 単行本(ソフトカバー)

- 作者:樺沢紫苑
- 発売日: 2020/09/03
- メディア: Kindle版
次々と「大全」シリーズを出されている樺沢さんの新刊。
こちらも今までの本の内容が1冊にまとめられた力作です。
今までの知識の復習と、新しい情報を得る目的で読んでみました。
- ポイント1 運動不足は死ぬほど健康に悪い
- ポイント2 朝散歩で脳内物質がすべて補充できる
- ポイント3 悪口は依存症と同じ
◆本の目次◆
序 基礎知識
1 睡眠
2 運動
3 朝散歩
4 生活習慣
5 休息
こんな本です
本書の目的は2つ(P3)。
- 脳のパフォーマンスを高め、より仕事や勉強ができるようになる
- 身体疾患とメンタル疾患を予防し、病気にかかることなく長生きする
『ブレインメンタル強化大全』は、すなわち「あなたのパフォーマンスを最大化する習慣大全」なのです(P15)
※『学びを結果に変えるアウトプット大全』『学び効率が最大化するインプット大全 (サンクチュアリ出版)』と併せて実行することを推奨
前書きで驚いたこと。
メンタル疾患を予防する、治療する生活習慣は「睡眠」「運動」「食事」「禁煙」「節酒」「ストレス解消」の6つ
(中略)
生活習慣病を予防する方法は「睡眠」「運動」「食事」「禁煙」「節酒」「ストレス解消」の6つ(P4)
実は、「メンタル疾患」と「生活習慣病」の予防方法はまったく同じなのだそう。
これなら、「どちらを優先するのか」とか「両立が難しい」といった悩みもなく、安心して取り組めますね。
この記事では、私が知らなかったこと*1を3つ、ご紹介します。
ポイント1 運動不足は死ぬほど健康に悪い
樺沢さんが様々な本・論文を読み込み、まとめたデータが次々と示されます。
- ごく軽度の運動をするだけで死亡率30%減
- 時々週150分の運動(+時々強めの運動)で、病気で死ぬ確率を50%も減らせる
- 週2時間の運動で認知症のリスクを1/2~1/3に減らせる
つまり、「運動不足の人は、病気になる確率を2倍近くまで高めるリスクを背負って生活している」ことになります。
しかも、運動不足の人はうつ病になるリスクが44%も高まる。
台湾の研究では、8年間、1日15分の運動(のべ43,800分の運動)で3年(1,576,800分)寿命が延びた*2。
「1分あたり36分寿命が延びた」つまり、「1分の運動をケチることで36分も寿命を縮めている」とも言えるのです。
1日20分の速歩きで、大部分の生活習慣病のリスクを減らし、4年半も寿命が延びる(アメリカ国立がん研究所の研究による)(P91)
というデータもあります。
1日20分、速歩きをすれば、「最低限の運動時間」をクリアできる(P90)
ただし、頭がよくなると言われるBDNF(脳由来神経栄養因子)分泌させるには、それだけでは足りません。
日々の「速歩き」などの中強度の運動に加え、「やや強度の高い運動」を週に2~3回ほど追加する(P107)
が必要。
他にも、アンチエイジングに効果があるとされる「成長ホルモン」を出すにはインターバルトレーニング、骨粗鬆症や認知症予防にもなる「テストステロン」(男性ホルモンの一種)を出すには筋トレを足すといいそうです。
ポイント2 朝散歩で脳内物質がすべて補充できる
少し前から樺沢さんの著書でよく見かける「朝散歩」。
この本では、何とまるまるひとつ「朝散歩」の章になっています。力の要れ具合がわかります。
朝散歩というのは、「朝起きて1時間以内に、15分程度の散歩に行くこと」です。
速歩きできればベター。
たった10分の運動で、セロトニン、ノルアドレナリン、ドーパミンなどの脳内物質がすべて補充される(P119)
つまり、速歩きで15分朝散歩ができれば、脳内物質は必要なだけ分泌されるのです。
朝、気分スッキリと1日を始められ、それが1日中続く。
樺沢さん自身が、朝散歩をすることで午前中を集中して過ごせるようになり、人生が好転したそう。
そこで、メンタル疾患の患者さんに勧めたところ、薬物療法ではなかなか改善しなかった患者さんが治っていったといいます。
- メンタル疾患の予防には15分で充分、改善のためには30分がおすすめ
- 頻度も予防なら毎日ではなくてもいいが、改善目的ならできるだけ毎日
- 15~30分がベスト。それ以上続けるとセロトニン神経が疲れるので逆効果
だそうです。
ポイント3 悪口は依存症と同じ
この本で一番びっくりしたのがこちら。
悪口は、ストレスを増やします。あなたの脳を傷つけ、寿命を縮めているのです(P244)
悪口は、ストレス発散になると思っていたら逆でした。
中野信子さんによると、悪口も「依存症」なのだそうです。
なぜなら、「幸福物質」ドーパミンが出るから。脳がドーパミンを求めて悪口を言い続けるのは、アルコールや薬物の依存症とメカニズムは同じ。
しかも、悪口はドーパミンと一緒にストレスホルモン・コルチゾールが出るので脳や身体がむしばまれてしまいます。
「なぜ悪口はストレスになるのか?」の答は、意外なところにありました。
――「人のことを褒めるといい。脳は自分が褒められていると受け取るから」という話、聞いたことがありませんか?
実は、その逆バージョン。
「人の悪口を言うと、脳は自分が言われていると思ってしまうから」でした。
古い脳(大脳辺縁系)は「主語を理解できない」から、人の悪口を言っても「自分の悪口を言われている!」と脳が興奮してしまい、コルチゾールが分泌されます。
自分の後ろで誰かが「バカヤロー!」と怒鳴ったら、自分に言われてなくてもビクッとするのと同じだそうです。
悪口を言ってスカッとしたつもりでも、実はスカッとしてなかったんですね。
認知症のリスクや死亡率が上がる、という研究結果もあるほど。
悪口を言わないのはもちろんですが、聞くのもなるべく避けたい。
まとめ
- 健康になるための方法でパフォーマンスもUPできる
- 効率よく、運動を生活に取り入れよう
- 正しく休息・ストレス解消しましょう
章ごとにまとめられ、「何を、どんな風に、どれだけ」やればいいのかわかる親切な構成。
どこからでもできる1テーマ2ページ。気になるところから始められます。
「パフォーマンスを高める」目的なら、1週間で効果が出るそうですよ。
今より健康になりたい、心身ともに健やかに過ごしたいなら、ぜひ読んでみてください。
私のアクション:朝散歩を習慣化する
■レベル:破
うつ病の予防法は、「睡眠・運動・朝散歩」(中略)究極の「うつ病予防」であり、「すべてのメンタル疾患の予防法」——樺沢紫苑『ブレインメンタル強化大全』「朝散歩」は起きて1時間以内に15分歩くだけ。いいことずくめです #読了 #本が好き #サンクチュアリ出版 pic.twitter.com/49eyzhePt8
— やすこ (@yasuko659) May 8, 2021
次の記事は私の個人的メモです。興味のある方はどうぞ。※メモのスタンスはこちら
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