毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

[読書日記]ちゃんと読むための本☆☆☆☆


【2023.7.6UP】
「言葉を扱う力」をつけるための基礎練習




  • ポイント1 「書く」前に「読む」
  • ポイント2 軸足は紙に置く
  • ポイント3 ブラウジングとリーディングを分ける



◆目次◆
最初の習慣改善―5つの約束
序章 自分の言葉を取り戻す旅―本書の活用法
第1章 「生活」の習慣―デジタルとの“間合い”をつかむ
第2章 「収集」の習慣―新たな視点を得るための背伸び
第3章 「拡散」の習慣―大量ブラウジングで質を上げる
第4章 「収束」の習慣―“壁”を乗り越えるリーディング
第5章 「活用」の習慣―体を使って頭に残す

読んだきっかけ

家族が図書館で借りてきた本。
奥野さんは図書館で借りても身につかない、と書かれてますが(汗)。

※お試しで読むのは可。じっくり読みたいと思った本は買うそうです

こんな本です

セミナーでよく聞かれる質問のひとつに
「どうして奥野さんは、そんなにいろいろなものが書けるんですか?」
というのがあるそう。

その答は

「うーん……まあ、鍛えてますから。いろんな分野のさまざまな文章を読んで」

その具体的な方法を教えてくれるのが、この本。
後半はかなーりマニアックになってきますが、役に立ちます。


インターネットの軽く読み流せる文章だけでは、読む力はつかない、と奥野さん。
体系的に、きちんと読む力をつけるために何をすればいいのか、がわかります。

本書で伝えたいのは、自己を確立するための読み方(P61)

最終的な目標は…「自分で考えたことを自分の言葉で表現できた」と思えること

ポイント1 「書く」前に「読む」

何かを書いたり話したりするためのもっとも基本的なトレーニングはちゃんと読むことであって、書かなくても土台は固められる(P58)

発信は後回しでいい。「ちゃんと読む」というトレーニングを通じて力をつけ、自分の軸を作り上げてから、と奥野さんは言います。

「読む」をすっ飛ばして表現しようとするのは、相撲取りが四股を踏まずに番付を上げようとしたり、ボクサーがロードワークをサボってタイトルを狙うようなもの(P58-9)

だそうですよ。


「何を読めばいいのか?」という疑問が浮かびますが、これは「本気で書かれたもの」ならOK。
おすすめの新聞・雜誌は挙げられていますが、これじゃなければダメ、といった縛りはありません。


負荷をかけるのが目的なので、それなりに頭を使うものになります。
最も取り組みやすいのが、「週に1回土曜日にコンビニで朝刊を買う」こと。


毎日読もうとすると大変で続かないことと、週末の記事は論説やまとめ、特集などが多く、平日に比べて読みやすい、というのがその理由。
「土曜日に買った新聞を、1週間かけて読む」ことがトレーニングになります。


トレーニングなので、「1日5分でいいからできれば毎日」を推奨されています。
週1回まとめて、よりも効果があるそう。筋トレと同じですね。

ポイント2 軸足は紙に置く

新聞も雑誌も本も、紙で読んだほうが頭に残る、というのが奥野さんの持論。
電子版は「あくまでお試し」という位置づけだそうです。


紙だと気が散る要素がない、というのが最大の理由。

スマホやタブレットで読んでいたら、通知につられていつの間にか別のものを読みふけっていた、になりがち。
紙媒体だと脱線しようがないので安心です。


「紙チェンジ、電子チェンジ」という謎の言葉も登場します。
これは、電子版でしっくりこなければ紙媒体にチェンジする、またその逆のこと。

電子版では頭に入らない、読み応えがない、と感じたら、それは紙で読むのに適したものかも。
奥野さんは集中して読まなくていいな、と思ったら電子チェンジしているそうです。

Kindle Unlimitedなどで読んでいる雑誌に、保存したいものがたくさん出てきたら、定期購読に紙チェンジすることも。


それぞれ紙で読むのに適したもの、電子版で読むのに適したものがあるそうですが、この辺は個人差があるので自分に合うように調整すればいいと思います。

ポイント3 ブラウジングとリーディングを分ける

技術的な話になりますが、読み方には2種類あるそうです。
それを使い分けましょう、というのがこの本の大きなポイント。

  • 「ブラウジング」…長い文章やページ全体にざっくり目を通すこと

全体を俯瞰して「何についての話なのか」「どういうことが書いてあるのか」といった主旨をおおまかにつかむのが目的
ブラウジングは「何について」「どんな趣旨か」をつかむことによる「ふるいがけ」の工程

  • 「リーディング」…前から順に意味を把握しながら、きっちりと読んでいく読み方

リーディングは通しで読んで内容を理解し、自分なりの咀嚼をしていく「吟味」の工程


ブラウジングの基本方針は「たくさん触れてたくさん捨てる」。
リーディング前の「ふるい」、と思ってください。

まず「ブラウジング10割」でパッパッとめくって大まかに全体像をつかむ。
その後、2回目はリーディングを加えてOKにします。


ふだんは気になる記事だけ立ち止まる「ブラウジング7:リーディング3」くらいの読み方をしている人が多いそうです。
ここではあえてまず全部ブラウジングでやってみる、というのがコツ。

「先に集中して全体像を把握しておくと、2回めはラクになる」のだそうですよ。

ブラウジングとリーディングという二つの仕事を同時進行するのではなく、初めのうちはきちんと分けて行う。立ち止まって読みたくなっても、我慢してとりあえず最後まで進む。これがブラウジングを強化する訓練法であり、テキストの負荷を下げるための常套手段(P190)

これは、奥野さんが新聞記事のスクラップを命じられた新入社員の頃に編み出した方法。

実は、いったん全部目を通してしまったほうが早く終わるのだそうです。
「ブラウジング10割」の訓練をするのは、その方が結局早く内容をつかめるようになるから。

まとめ

インターネットの軽く読み流せる文章だけでは、読む力はつかない。
だから、「本気で書かれたもの」をしっかり読み込む。


軸足は紙に置く。紙媒体のほうが集中しやすく、記憶に残りやすい。
ただし、ものによっては電子版のほうが向いている場合もあるため、状況によって紙チェンジ、電子チェンジする


全体にざっと内容をつかむ読み方「ブラウジング」、必要なところだけを絞り込んでから読み込む「リーディング」を使い分ける。
特にはじめに「ブラウジング」して一通り目を通すことで、早く重要なポイントだけを残せるようになる。

感想

奥野さんのキャリアは、専門紙の新聞記者からスタート。
だからきちんとした文章が書けるんだろう、と漠然と思っていましたが、こんなに意識して研鑽を積まれていたんだな、と驚くやら感激するやら。


「本気で書かれたものをきちんと読み込む」は、意識しなければできません。


そして、「きちんと読めるようになれば、自然に書ける」というのは衝撃でした。
もう少し骨のあるものを読んでみよう、と思いました。

こんな人にオススメ

分厚い上にサブタイトル「人生がうまくいく231の知的習慣」を見ると読めるかな、と尻込みしたくなりますが、文字も大きいし、読みやすいので大丈夫。

ウサギとカメのイラストにも癒やされます。
内容も本の作りも、読むのが苦手な人、初心者向けと思われます。


でも、そこそこ本は読んでるよ、という人にも収穫はたくさんありますよ。

■レベル:守 新聞や雑誌を破りながら読むとか、「切り抜きノート」あたりはできる人が限られそうですが、前半は基礎練習にぴったり
私のアクション:週1回、土曜日にコンビニで朝刊を買う



次の記事は私の個人的メモです。興味のある方はどうぞ。※メモのスタンスはこちら
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