毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

[読書日記]『人生をガラリと変える「帰宅後ルーティン」』☆☆☆☆

仕事が終わって帰宅したあとの時間は、人生を2倍生きることができるチャンス


  • ポイント1 人生の意味づけをする
  • ポイント2 事前計画より事後記録
  • ポイント3 「成功させよう」ではなく「コツコツやろう」



◆目次◆
はじめに 帰宅後に、新しい一日が始まる
1 帰宅後の過ごし方を変える4つの質問
2 帰宅後ルーティンで得られる4つの贈り物
3 充実した一日を過ごすための目標設定ロードマップ
4 一日を2倍に増やす時間管理法
5 帰宅後ルーティンがうまくいく5つのポイント
6 崩れそうなルーティンを守る6つの危機管理法
おわりに 私は今日も「楽しいこと」をする
特別付録 帰宅後ルーティンのための4種のプランナー

読んだきっかけ

以前読んだ『朝イチの「ひとり時間」が人生を変える』の翻訳者・小笠原藤子さんのプロフィールに出ていて、興味を持ったのがきっかけ。

こんな本です

著者は韓国で会社に勤めるサラリーマン獣医師。
以前は、平日の帰宅後は何もする気力がなく、気がついたら朝、みたいな生活をしていたそう。
これはおかしい、と感じて一人カラオケに行ってみたり、書店に寄ってみたのが帰宅後を自分の時間にする試みの始まり。


学生時代に演劇に打ち込んでいた著者は、その頃関わりのあった劇団から出演依頼があった。
2か月もの間、会社帰りに練習に向かい、夜10時まで練習してから帰宅、という生活を続けた。
10日間の公演をやり遂げたあとには、退勤後に何でもできそうな自信が生まれたという。


そこから、帰宅後に「2度目の1日」を始める人生にシフト。
現在は自己啓発系YouTuber、オンライン講座の講師、俳優としても活躍中。


この本では、帰宅後ルーティンの作り方、人生の目標を立ててそれをどう帰宅後ルーティンにしていくか、好きなことを副業にする方法など、さまざまなことが学べます。
この中から「時間管理アドバイザー」である著者の、時間管理にまつわる部分を主にご紹介します。

ポイント1 人生の意味づけをする

著者は「なぜ生きているのか、どう生きれば良い人生と言えるのか」と考え込むタイプだそう。
以前その悩みについてカウンセラーに相談し、「とりあえずボランティア活動でもしてみようかと思う」と話す著者に、カウンセラーは「意味づけをしているところなんですね」と言ったと言います。

ここから、「意味づけをする」ことを重視しているのだとか。


著者の言う「意味づけ」とは、

価値あることが何なのかを探し、価値あることをしようと努力すること(P95)

「自分にとって意味のあること」が何なのかわかれば、行動できるようになる。

さらに、行動に意味を持たせれば、一生続くモチベーションになる


数値(たとえば1億ウォン=約1千万円貯める)だけでは達成した瞬間しか喜びを感じられませんが、そこに意味があれば、小さな障壁くらいはたやすく乗り越えられるようになります。


著者はYouTubeチャンネルを運営しているものの、実は辛いことのほうが多いそうです。編集作業などは時間がかかり、うんざりすることも。
でも、継続できるのは、そこに意味とやりがいが見出せるから。


つまらないと感じる時は、著者の動画を見て今日もがんばったと言ってくれる人たちに思いを馳せて、動画作成の意味を思い出しているそうです。


ただし、この「意味」は一生続くものじゃなくてもいい、と著者は言います。
歳を重ねるに連れて価値観が変わるなら、人生の意味も変わって当然。

私の人生の中心を定め、私をしっかり支えながら、たゆまず持続する力になってくれるという点は変わらない(P98)


意味づけ、大事ですよね。
ただのレンガ積みか、大聖堂をつくっていると考えるのかで、モチベーションも疲れ方も変わる、という「3人のレンガ積み職人」の寓話でも明らか。

●1人目のレンガ職人
「見ればわかるだろう。レンガ積みをしているんだ。朝から晩まで、俺はここでレンガを積まなきゃいけないのさ。雨の日も寒い日もどんな時も一日レンガ積みさ。体もボロボロさ。」

●2人目のレンガ職人
「オレは、ここで大きな壁を作っているんだ。これがオレの仕事でね。この仕事のおかげで俺は家族を養っていける。」

● 3人目のレンガ職人
「歴史に残る偉大な大聖堂をつくっているんだ。ここで多くの人が祝福を受け、悲しみを払うんだぜ!素晴らしいだろう!」
――三人のレンガ職人(石工の話)から学ぶ『モチベーションを高く持つ』ということ | KRBコンサルタンツ

大きな目標に意味づけができればこそ、行動できる、と著者は言います。


目標設定の4ステップ(P101)として、まとめられています。

ポイント2 事前計画より事後記録

時間管理アドバイザーとしても活躍中の著者。
自ら考案したデイリープランナー(スケジュール表)で日々自分の時間を管理しているそうです。


新鮮だったのが

時間管理のためなら、事前計画より、むしろ事後記録が重要だと考える(P138)

ということば。


事後記録とは、あることを終えるたびに、または1時間ごとにさっきまでしたことを記録する方法です。
著者考案のデイリープランナーは、1時間ごとに何をしたか書き込めるシンプルな形。
しかも、今日やるべきこととしてタスクを書き、それを予定として書き込める欄もある。
これなら、計画と、実際の時間の過ごし方の違いがひと目でわかります。


実際には、プランナーを持ち歩いて書き込むのはむずかしいので、アプリなどでメッセージを送り、時間がわかるようにしているそう。
あとでまとめて書き込めばOK。

時間管理についての本を数百回読むより、デイリープランナーを一ヵ月使ってみるほうが、時間管理をするに当たってよほど役立つ(P145)

そうですよ。
その理由は、細かく記録することで、問題が明らかになるからです。


毎日自分がどんな風に時間を使っているのか(最初はほぼ「いかにムダにしているのか」)をつきつけられれば、意識的に改善するしかありません。

ポイント3 「成功させよう」ではなく「コツコツやろう」

こういうタイプの本は、ガツガツやってものすごい勢いで成功を目指すイメージがありますが、この本は違います。

どうせ行うなら成功させたいという気持ちは理解できるが、これからは「始めたことだから、ずっと続けたい」という方向に舵を切ってみよう(P247)


長く続けるには、当面のクオリティよりも、持続可能であることが重要。

最初から力みすぎれば、瞬く間にへこたれてしまう(P246)


次の言葉には特に重みを感じました。

他人から見たらつまらないレベルのことを黙々とやり続けてきた人々は、結果的に他人がうらやむ成果を上げるものだ(P247)



焦燥感と完璧主義は、決心したことを諦めさせてしまうから要注意、と著者は書いています。

どんなに楽しくても、どんなにすべてのステップをひとっ飛びで超えて行きたくても、コツコツ地道に続けよう(P154)

地道に実践することにおいて、スピードは関係ない……私たちの目標は昨日より成功することではなく、毎日1%前後の小さな成長を続けることにある(P238)


また、コツコツ続けるには、すばやくリカバリーできることも重要。

もともと100%計画どおりに進むことはない。……ある人は、物事が計画通りに進まないとき、早い段階で軌道修正し戦略を練り直す。またある人は、自分を責めて苦しむ。あなたはどちらの人になりたいだろうか?
(中略)
問題が生じたなら、いさぎよく反省し、自分を責める代わりに行動パターンを変えるすべを身につけよう(P242)

後者になるのを避けるために、ここでもやはり完璧主義は卒業しておいた方がよさそうですね。

感想

実にいろんな方面で成功をおさめ、結果を出している著者。
でも、この本の内容は超人的な行動を求めるのではなく、「成功を目指すのではなく、続けることを目指そう」など、ウサギではなくカメの歩み方を勧めるもの。
好きなことをコツコツやって、それが結果につながるんだ、ということを見せてもらえます。


ただし、「好きなことならパワーがなくてもできます」と書いてありますが、その一方で著者は、「やりたいことを全部やるために体力をつけたい」と水泳を続けています。
やはり基礎体力は必要なのだ、ということをお伝えしておきます。

こんな人にオススメ
  • 平日は自分の時間が取れない、という人
  • 「帰ってきたら寝るだけ」になってしまう人
  • 完璧主義で一気にやろうとして失敗が多い人には、特に心にしみます

■レベル:守

【参考】出版社の紹介ページ

bunkyosha.com


私のアクション:著者おすすめのデイリープランナーで、1時間ごとの事後記録をとる



次の記事は私の個人的メモです。興味のある方はどうぞ。※メモのスタンスはこちら
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計画と実際を比較する手法、この本で読んだのが最初だと思います
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