毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

「あきらめない心」に勝るものなし☆☆☆

 

レジェンドが衰えない秘密、それはぜひ知りたい!と思ってさっそく読んでみた。
「なるほど」と「意外」が半々の、なかなか新鮮な内容だった。


 

◆目次◆
はじめに 20代のころとほとんど変わらない葛西選手の驚異的な身体能力
第1章 トレーニングドクターがみた葛西紀明・衰えない身体の秘密
第2章 「心の持ち方」で現役寿命は大きく変わる
第3章 7度のオリンピックと「挫けない心」の軌跡
第4章 「一瞬」に賭けるスキージャンプの奥深さ
付 章 「現役力」を高めるかんたんトレーニン

この本によれば、葛西選手の能力の秘密は主に以下の通り。

・葛西選手は練習の虫。やり過ぎてコーチに止められるほど*1

・並はずれた身体能力の秘密は「持久力」。ジャンプ競技に必要なのは瞬発力だが、葛西選手は持久力もすぐれている
 持久力があれば長く練習ができ、回復も早い。加齢による身体能力の衰えも抑えられ、疲労が蓄積しないので、ケガもしにくい

・若い頃は身体能力に任せて強引に飛ぶことも。年齢によってほんの少し筋力が低下したことで、ジャンプのスキルと筋力が調和してきた→精神的な部分とも調和がとれ、ジャンパーとして完成

ずば抜けて身体能力に優れ、しかも努力を惜しまない。加えて瞬発力と持久力を兼ね備えているので、ケガしにくく、加齢による能力低下を遅らせることができる、ということのようだ。
何しろ、葛西選手自身の測定結果が20代の頃とほとんど変わらない上、他の20代の選手もいるのにチームトップの項目もあるのだという。恐れ入りました。
これはもう、“生きる伝説”と言われても大げさでも何でもない。

 

面白いのは、著者(長年、葛西選手のデータをとり続けてきたドクター。オリンピックにもたびたび同行されています)が身体面よりも、精神面を重視していることだ。

去年のソチは実に7回目のオリンピック。ようやく悲願のメダル*2を手にしたが、それはメンタルコントロールがうまく行っていたからだという。

大会前の準備段階から、日々、笑顔が絶えないのです。入れ込み過ぎることなく、常に気持ちに余裕を持ち、平穏な精神状態でスッと大会に入っていきました。そして、ラージヒル個人の銀メダルに輝いたのです(P75)。


また、葛西選手が7回もオリンピックに出て、結果を出したのは「あきらめなかったから」だそうだ。

…心さえ挫けなければ、思った以上に人間の身体能力というものは簡単に衰えたりしません。私たちはよく、「もう年だから」と考えますが、人間の身体というものは継続し続ける限り、いくつになっても機能が向上する可能性を秘めているのです(P60)。

「夢をあきらめない心」を大切にして、絶対にこれはやりたい、達成したいんだということを、やり続けていくことは、その人を若々しく、輝かせるのではないでしょうか(P65)。

“人は外的要因に負けるのではない。自分の内側から負けるのだ”と聞いたことがあるが、まさにこのことかもしれない。

 

また、たびたび登場するのが「運」の話。
運はなかなかコントロールできるものではないが、チームとして“運が逃げないように”というサポートはとても重要なのだそうだ。

笑顔が自然とあふれるチーム、選手はいい結果を自然と残すが、笑顔がない状態だと、結果はついてこないのだという。
ソチで残念な結果に終わった高梨沙羅選手は、直前に笑顔が消えてしまい、著者は心配していたのだそうだ。
反対に、葛西選手は上にも引用したように、常に自然な笑顔が最高の結果につながった。

 

また、「ジャンプの選手は常に身だしなみに気をつけ、時間厳守」というエピソードも意外だった。これは、「周囲に人に無用のストレスを与えると、必ずそれが自分にも返ってくる」ので、それを避けるためだそうだ。

「ずば抜けた身体能力」の話だと、自分には無縁の別世界のことのように感じるが、メンタルや運のコントロールはごく普通の生活にも取り入れられる。

 

著者は長年スキージャンプの飛形について研究し、多くの選手も見てきたドクターなので、初めて読む話ばかりで興味深い。
専門的すぎて困ってしまう内容もあるが、ここまで深くジャンプについて書かれた本もあまりないと思うので、オリンピックをつい見てしまうという人は、読んでみると発見があって面白いはず。

最後の「付章」は、一般の人でもできるトレーニングのコツが紹介されている。私は熱心に読んだが、家族に言わせれば「蛇足でしかない」そうなので、メモは載せていません。
興味のある方はぜひ読んで確かめてください。
私のアクション:「人に与えたストレスは、必ず自分に返ってくる」を肝に銘じる

※この本のメモはありません

 

 

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*1:ちなみに、原田さんは天才型で、ふたりは選手としては正反対なのだそうです

*2:リレハンメルで、団体の銀を獲得されています。だから金を目指していたんですが、銀でもいい笑顔でした。団体の銅で見せた涙も印象的