毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

[読書日記]自分の時間☆☆☆☆

時間術の古典的な本。ネットで見かけ、そう言えば今まで読んだことなかったなあ、と思って図書館で借りました。
「自分の時間をいかに増やすか」がライフテーマだと考えているので、これははずせません。

もちろん古いところはありますが、今にも通用するところもたくさん。
さすがは読み継がれている名著でした。


  • ポイント1 仕事の時間を差し引いた時間を「内なる1日」と考える
  • ポイント2 集中力を鍛えて、思考をコントロールする
  • ポイント3 よく読むと同時によく考える



◆本の目次◆
まえがき 大切な「あなただけの時間」をどうやってつくりだすか?
第1章 この考え方が1日1日に奇跡をもたらす
第2章 もっと知的好奇心に満ちた生活をつくろう!
第3章 1日24時間の枠を最大限に生かすには?
第4章 自分の精神・肉体を養うための「内なる1日」
第5章 週3回の夜90分が、あなたの心を豊かにする
第6章 「情熱と活気に満ちた1週間」をつくる秘訣
第7章 思考を集中するひとときをもつ
第8章 「内省的な気分」を大切にする
第9章 「知的エネルギー」はどうやって生まれてくるのか
第10章 「原因と結果の法則」を頭に入れる
第11章 読書好きなあなたへ――人生に大きな「利息」を生むアドバイス
第12章 財布にはまっさらな24時間がぎっしりと詰まっている

訳者解説 渡部昇一

こんな本です

1920年頃に出た本(諸説あり、訳者序文に解説されています)。

著者のアーノルド・ベネットは小説家、評論家としても評価の高い人なのだそうです。

もともとは貧乏な家の出身である「叩き上げ」。
ただし、成功したあとはとても豪奢な暮らしを好み、糟糠の妻を捨てて女優と再婚するなどのスキャンダルもあり、評価が分かれる面も。


大変多作だった著者。精力的に活動できた成功の秘訣が書かれていると考えれば、貴重な本です。

ポイント1 仕事の時間を差し引いた時間を「内なる1日」と考える

日常の仕事でそんなに疲れるなら、それはあなたの生活のバランスが悪いのであって、是正すべきだ。
人間の精力は、日常の仕事にすべてを吸いとられてしまってはならないのである(P20)

「1日の仕事が終わる時にはもうくたくた」という人は多いですよね。
でも、それは間違いだ!というのが著者の主張。


なぜなら、仕事のあとに予定があれば、何の問題もなく行動できるから。
この本では「劇場に行く」「アマチュアコーラスの会に参加する」が挙げられています。

むしろ、仕事のあとに予定があった方が充実した1日になり、満足して眠りにつけるはず。
これは全員が心当たりありますよね。


「夕方6時*1に、あなたはまだ疲れているわけではないのだ」ということを受け入れよう、と著者は説いています。
――疲れていない、という前提で、どうする?


著者のおすすめは
頭の中に「内なる1日」を作る
というもの。

夕方6時(=終業時間)に始まって、翌朝10時(=始業時間)に終わる、16時間の1日です。

  • この時間はすべて、自分の時間の心と身体を成長させ、同胞を啓発することだけに使う
  • この16時間はお金の問題からも解放されており、働かずとも食べていけるような結構な身分

というのが前提。

「内なる1日」を有意義に過ごすには、このような心構えが重要だからです。


これは衝撃でした。
イヤイヤ働いていても、自分の1日の中心に仕事の時間がデーンと居座っていて、あとの時間はオマケみたいに思っていませんでしたか?

著者は「好きで仕事してないんなら、それ以外の時間を有効活用しなさい」と言っているのです。
疲れている場合ではありません。

ポイント2 集中力を鍛えて、思考をコントロールする

思考を支配する訓練をしましょう、と著者は書いています。

たとえば、
家を出たらひとつのことに思考を集中してみる練習。

または
マルクス・アウレリウスやエピテクトスのような名著の、短い1章に集中してみる練習。
これは、「前の日に読んだ内容を、翌朝電車の中で集中して考える」というもの。

集中してものを考える訓練(これには少なくとも毎日30分はかけなければならない)は、単なる準備段階であって、ピアノでいえば音階練習のようなものである(P96)

集中力を高める練習を規則的にやることによって(これには何も特別な秘訣はない――辛抱強くやるということ以外には)、あなたは自分の思考をいかなるときでも、いかなる場所でも、思いのままに支配できるようになる(P90)

ぜひ文句を言わず、やってみていただきたい。自分の思考をコントロールするのだ。そうすべく努力しているうちに、人生の厄介ごとの半分は取り除かれてしまう(P93)

取り越し苦労もまったくなくなるそうですよ!これはやってみるだけの価値があります。


「読んだ本について考える」は別ですが、「テーマを決めてそれだけに集中する」というのは、ちょっとマインドフルネスに似ているかもしれません。

ポイント3 よく読むと同時によく考える

読書ブログなので、3つめは読書に関することを。

読書は要するに、どんどん先に読み進めてはいけないのである(P135)

著者は「読んだ数を競うのはバカのやることだ」という意味合いのことを書いています。耳が痛い…


「自分が読んだものについて、少なくとも45分くらいかけて、注意深く、しんどくなるくらい反芻」することを勧めています。
読みっぱなしではなく、きちんと自分の糧にできるよう、考えることが大切。

45分というのは、「1日おきに取る夜の90分のうち、半分程度」という意味だと思われます。
通勤時間の30分をあてる、というのもよさそう。


読書術の本にくり返し「読んだらアウトプットしなさい」と書いてありましたが、自分の血肉とするためにはもっと考える時間が必要かもしれません。

まとめ

「職業としての仕事以外に何かをやりたい」と思っている人に書かれた本。

自分の時間をつくるには、

  • 早起きをする。または通勤時間30分を使う
  • 一晩おきに夜の90分(週3回)

週3回なら家族サービスや人とのつき合いもできますよね、というのがその理由。

他は基本的な心構えを説く内容がほとんどですが、情報が多すぎて流されてしまいやすい今、古典を読んで基本に立ち返るのもいいと思います。


一般的な時間術の本で書かれていることも多いものの、私にはとても新鮮な発想もたくさんありました。
自分が何を求めているのか、自分にとって何が大事なのか考えるきっかけになる1冊。

自分の1日の充実度を高めたい方は、ぜひ読んでみてください。
私のアクション:仕事がすんだらもうヘトヘト、という意識を手放し、働き方を変える
■レベル:守 




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*1:ロンドン・シティの平均的な労働時間(当時)として、10-18時を想定してあります