言語化とは「自分が感じたことを、相手が理解・共有できる言葉で表現すること」
- ポイント1 伝え方の前に内容
- ポイント2 言語化トレーニング
- ポイント3 経験=できごと+感情
◆目次◆
はじめに
1 人は「伝え方」より「言語化力」で評価される
2 どうしたら「言語化」できるようになるのか?
3 瞬時に「言語化」できるようになるシンプルなトレーニング
4 瞬時に「言語化」できるようになるシンプルなトレーニング―実践編
5 もっと「言語化」できるようになる方法―発展編
おわりに
巻末特典 メモの「問い」の例500
読んだきっかけ
家族が借りてきた本。言語化をトレーニングできる、というのに興味が湧いて読んでみました。
こんな本です
著者は電通のコピーライター。
たくさんの賞を取り、世界で活躍する著者も、はじめは思うようにコピーが書けなかったそう。
自ら生み出した言語化トレーニングで、思いを言葉にすることができるようになったといいます。
その方法をまとめたのがこの本。
著者の詳しいプロフィールと、この本の要約が読めます
gendai.media
ポイント1 伝え方の前に内容
コミュニケーション力に悩む人が手に取るのは「伝え方」に関する本が多い。
しかし、著者はそれに疑問を呈しています。
伝え方はそれほど問題ではないそうなのです。大事なのはその「内容」。
言葉が人に刺さるかどうかは、ほとんどが「何を言うか」で決まる(P57)
たとえて言うなら、
あなたがいくら「おしゃれな服」を身につけ着飾っても、最後はあなたの“中身”が問われる。それと同じで、「何を言うか」にこそ言葉の貫通力があり、コミュニケーションの本質は「言語化力」にある(P17)
たしかに、いくら素敵な服を着ておしゃれをしていても、それで全てがうまくいくわけではありませんよね。
そして、「何を言うか」に必要不可欠なのが「言語化力」。
「言語化ができる人」と「言語化ができない人」の差はどこで生まれるのか、という問いに、著者はこう答えています。
「日々の何気ない日常の中でも、自分は必ず何かを感じている」ことに気づけるかどうか。
“「気がつく」だけで、言語化できる確率は50%上がる”そうですよ。
まずは、無意識に自分が感じていることを意識することから。
それが言語化トレーニングのスタートラインです。
ポイント2 言語化トレーニング
基本はこれだけ。簡単です。
A4コピー用紙の一番上に自分への「問い」をひとつ立てます。その問いに対して、「頭に思い浮かぶこと」を次々に書いていきます。
ただし、所要時間は「1枚につき2分」です。これを1日3枚、計6分書く。これを毎日の習慣にする(P23)
それだけで、「言語化力」が短時間で飛躍的に鍛えられるとか。2週間もあれば、変化が自覚できるようになるそうです。
「え、じっくり考えなくていいの?」と思ったあなた。ふつう、そう思いますよね。
でも、この「2分」に意味があるそうです。
言葉の「速さ」と「深さ」は両立する(P24)
この本の「言語化」トレーニングの到達点は、「瞬時に言語化できる」究極の状態になること。
とっさに質問に答えるような時こそ、言語化スキルは求めらます。
だからこそ「じっくり考えるのではなく、制限時間を設けて集中する」。これが「1枚につき2分」の理由です。
そして、言語化トレーニングにはもうひとつ目的があります。
それは、「無意識に感じているものをすくい上げる」こと。
あなたが「無意識に感じていること」には、あなただけのオリジナルな考えが詰まっています
(中略)
…この「無意識に感じていること」を次々に言葉にしてストックを作るということは、結果的にあなたの「独自の視点」に溢れた「深い言葉」をたくさんストックすることになる(P105-106)
どんどん掘り下げていく手法により、それが可能になります。
ポイント3 経験=できごと+感情
著者は「感情」の大切さを、本の中で繰り返し説いています。
「経験を発信する」とは「できごと」と、そのできごとを通じて「感じたこと」をセットで発信すること(P239)
感情はいつも、言葉にならないメッシセージをあなたに発信しています。そこに耳を傾けることが、あなたの「思いや意見」を言語化する第一歩でもあります(P237)
経験を思い出す際には、「できごと」だけではなく、そこで「感じたこと」をセットで思い出す(P233)
できごとだけ思い出すのではダメで、その時感じたこと、つまり感情も思い出すことではじめて「経験」を活かすことができるのです。
例)チームでの課題点をメモに書き出しながら言語化していく→まずは「チームでの経験を思い出す」
「このあいだチームで会議をやったなぁ」という「できごと」で思考を止めない。その「できごと」を通じてあなたが「感じたこと」は何だったのか。そこにまで思いを巡らすことこそが「チームでの経験を思い出す」ということ
「できごと」とは、まさに過去に体験した事実や事柄そのもの
「感じたこと」とは、過去に体験した事実や事柄を通じて自分が感じたこと(P227)
言語化におけるとっかかりは、「自分の経験を思い出すこと」なんですね。
メモを書き出す時に、漠然と考え始めるのではなく、まずは「問い」にまつわる過去のできごとに思いを巡らせることから始めましょう。
まとめ
- 伝え方の前に伝える内容を作ろう
- 気づいていないだけで、言葉にしたいモヤモヤは誰にでもある
- 言語化トレーニングで、思いを言葉にする訓練を
- A4用紙にひとつの問いを立て、2分で掘り下げる。これを1日3枚書くことを習慣に
- 経験はできごとと感情でできている。経験を思い出す時にはできごとだけではなく、感情も
- 感情には、その人のオリジナリティが詰まっている。感情を含めて言語化できると、自分だけの意見を言えるようになる
感想
コピーライターの書いた本は独特の“匂い”みたいなものを感じて読むのが辛いことが多いのですが、この本は大丈夫でした(注:個人の感想です)。とても読みやすいのに、言葉がきちんと残ります。
言語化トレーニングはとてもシンプルなので即、取り組めます。ただし、単純な分飽きそうなので、習慣化できるかがカギ。
問いのネタがすぐなくなるそうで、問いの例が巻末に500載っています。
掘り下げていく訓練になるので、自分の深層心理を知ることにも繋がるはず。
モヤモヤが毎日言語化できたら、楽しくなりそう。
ずっと続けている「モーニングページ」も、自分のもやもやを文字にして吐き出すための方法ですが、文章で書いています。
この形にできたら早くて簡単かも?と思いました。
こんな人にオススメ
- 会議などで、とっさに自分の意見を言えない人
- いつもモヤモヤを抱えている人
- 言いたいことはあるんだけど、うまく口に出せない人
- その他、アイデアを出す必要のあるすべての人に
■レベル:守 読みやすく、実践しやすい本です
私のアクション:言語化トレーニング(1枚2分✕3枚/日)をやる
「何を言うか」という“言う内容”そのものが人の心を打つ…内容の薄い話にいくら「どう言うか」の工夫を施しても、人はそれが表面的であることを敏感に見破ってしまいます
— やすこ (@yasuko659) August 6, 2023
——
荒木俊哉『瞬時に「言語化できる人」が、うまくいく。』
「言い方」の前に内容が大事#読了 #本が好き #SBクリエイティブ pic.twitter.com/llRsMgYTRa
次の記事は私の個人的メモです。興味のある方はどうぞ。※メモのスタンスはこちら
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