ノートは自分らしさをストックするもの
- ポイント1 ノートに何を書くか決める
- ポイント2 ノートは2冊に分けよう 1軍ノート/2軍ノート
- ポイント3 ノートに書いていくと自分がわかる
◆目次◆
第1章 手書きメモからヒットを生み出す
第2章 ノートに"種"を集める
第3章 「1軍ノート」をつくる
第4章 ノートからアウトプットする
第5章 アイデアを転がす
第6章 人生が変わる
- 読んだきっかけ
- こんな本です
- ポイント1 ノートに何を書くか決める
- ポイント2 ノートは2冊に分けよう 1軍ノート/2軍ノート
- ポイント3 ノートに書いていくと自分がわかる
- まとめ
- 感想
- こんな人にオススメ
読んだきっかけ
以前読んだ『じわじわくる文具』の巻末載っていた対談で、佐藤ねじさんを知りました。
「1軍ノート・2軍ノート」の話をされていて興味を持ち、探したところこの本がヒット。
さっそく図書館で借りて読んでみました。素晴らしい本で、「今年の10冊」にノミネート(自分の中で)。
こんな本です
著者・佐藤ねじさんはデザイナー/プランナーで、株式会社ブルーパドルの代表をつとめる。
自称「コツコツ型」で、天才でない著者が、仕事のアイデアを出すために工夫してきたノートの書き方をまとめたもの。
ノート術の本ですが、アイデアの出し方や発想の膨らませ方もたくさん載っていて、小さなアイデアが作品になっていくプロセスを見るのは楽しかったです。
ポイント1 ノートに何を書くか決める
佐藤さんのメモに一貫しているのは「あとで自分が企画を考える時に参考にする」こと。
ポイントは、メモを何に活かすのかをあらかじめ決めておき、そのために自分の心に 引っかかったものをメモするということ(P17)
あらかじめ決めておくのは、その方が長続きするから、だそうです。
「仕事で使えそうなものをメモする」という漠然としたものではなく、「自分が面白い企画を立てるために参考になるものをメモする」と、具体的に決めておく。
アウトプットを具体的に決めると、あとからメモを見返すのがラクになります。何のために取っているのかわからないメモは、読むのもつらい(P19)。
さらに、目的を具体的に決めたメモを取り続けることでわかってくることが。
メモを見返していると、だんだんと自分が心を動かされるポイントがわかるようになります。つまり、自分の好みのパターンが、メモの中から見えてくるのです(P19)。
ただし、コツは「仕事に直接つながりそう」縛りにしないこと。
仕事かどうかはいったん置いておいて、自分が一番興味のあるものをアウトプットすることをお勧めします。それが仕事から少しズレてしまってもいいのです。好きこそものの上手なれ、といいますが、興味のあるものを選んだほうが続けられます(P19-20)。
ポイント3でも触れていますが、「ノートは公私混同でいい」という言葉は、くり返し出てきます。
――ダブスタみたいで、加減が難しそうですよね。
目的を具体的に絞り込む。ただし、自分が興味のあるものを間口を広くして拾う。
この辺は、メモを取りながら身につけていくしかなさそうです。
ポイント2 ノートは2冊に分けよう 1軍ノート/2軍ノート
佐藤さんのノート活用術は大きく3つのステップがあります。
1.毎日コツコツと、気になったことをノートにメモする
2.そのなかから、選りすぐりのメモだけを特別なノートに書き写す
3.選ばれたメモは頻繁に見返し、アウトプットに活用する(P21)
この方法のヒントになったのは、博報堂ケトルのクリエイティブディレクター・嶋浩一郎さんの著書『嶋浩一郎のアイデアのつくり方 (ディスカヴァー携書)』(※現在、Kindle Unlimitedで読めます)。
嶋さんは、すべてのメモ(2軍ノート)の中から選りすぐりの面白いトピックスだけを集めた1軍ノートを作っておき、企画のネタとして使っていたそうです。
ヒットソングだけを集めたベストアルバムを作るようなものだ、と佐藤さんは書いています。
試験勉強で自分なりにポイントをまとめたノートを作ったのと同じ、と考えれば、どんな1軍ノートを作ればいいか見えてくるそうです。
また、1軍ノートは頻繁に読み返したくなるように、ちょっといいノートにするのがコツ。
佐藤さんはモレスキンを愛用しているそうです。
2軍ノートから1軍ノートに書き写す時、そこに書かれている内容を内容を膨らませて、アイデアとして面白くなるように、ひと手間かけているのが佐藤さんのやり方。
ただし、嶋さんはそのまま転記しているそうなので、人それぞれ、ケースバイケースかもしれません。
さらに、佐藤さんはそれ以外にもノートを作っているそうです。
- テーマ別に作る1.5軍ノート(1軍/2軍ノートの中間に位置するのでこう命名)
- 朝メモ(おそらく、モーニングページの一番わかりやすい具体例)
※メモにまとめてあるので、興味のある方はそちらをご覧ください。
ポイント3 ノートに書いていくと自分がわかる
ノートを書き続けることで、自分が見えてくる、と佐藤さんは書いています。
ノートのいいところは、毎日のメモを通じて自分の内面を見ることができる点です。自分が何を好きなのか、何にこだわっているのか、どんなときにいいものが作れるのか。こうした自分の特徴をちゃんと把握することで、メモに書いた断片を発展させ、形にして世に送り出し、多くの人に見てもらうことができる(P42)
コツは思いっきり公私混同。
公私混同することで、「あとから見返すと楽しくなるノート」ができるのです。
「あとから見返すと楽しくなるノート」を作ると、自然と「自分が好きなもの」が反映されるようになる。
自分の好みがアウトプットに影響を及ぼし、それが「自分らしさ」につながります。
自分らしさが自分のカラーとなって定着すると、「あの人に仕事を頼みたい」と思ってもらえるようになっていくそうです。
アウトプットに自分の色を出す第一歩になるのが、ノートに自分の好きな要素を取り入れること(P69)
「あの人にお願いしたい」と言ってもらえる状態が自分らしさを確立したということであり、それが「自分のブランド」になります。
自分らしさや自分ブランドってどう見つけるか、作るか悩みますが、こうやってコツコツノートを書いていくことで形になるならうれしい。
ただし、「自分らしさ」には落とし穴が。
間違わないためにも、ノートが役に立ちます。
「自分らしさ」とは、作品のなかに入り込む作者の「エゴ」ではありません。何かの目的のために作品を作っていても、自然とにじみ出てきてしまうものです。それは自分の「思考のクセ」であり、自分が信じているやり方でアウトプットしていくうちに、次第に生まれてくるもの(P175)
守るべき本質を守る。これが、個人のブランディングです(P191)
自分の企画に筋を通したい、と思っていても、人間なのでブレることもある。
そのブレをなるべく抑えるためにノートがある、と佐藤さんは書いています。
ノートは自分にとって、原点に立ち戻れる場所です。迷ってしまっても、疲れてしまっても、ノートを開けばそこに“自分”がいます。
ノートに書かれたメモを読むと勇気がわいてきます。
そこに書かれている言葉は、自分そのものです(P194)。
ノートは自分を知るための最大の武器になり、最高のホームになるのです。
まとめ
ノート術の本なのですが、それ以上にアイデアの種をどう拾い、どんなふうに活かすかという話が印象に残ります。
デザイナーを始め、クリエイティブ系の方にはすごいヒントがたくさん詰まっています。
それ以外の方も、自分は何を生み出したいのか、そのために何をノートに書くのか、をしっかり絞り込めば、このノート術は大きな恩恵を生むはず。
感想
デザイナーの頭の中、アイデアを生み出すプロセスを知ることができて興味深かったです。
ノートをコツコツ取ることが自分を知り、最終的にはブランディングにまでつながる、という著者の話には説得力がありました。
会社名「ブルーパドル」の意味は感動的です。ぜひ本で読んで知ってください。
こんな人にオススメ
- ノートを書きたいけど、具体的にどうすればいいのかわからない、という人
- アイデアを出すのにいつも苦労している人
- 「自分らしさ」「自分ブランド」に興味のある人
クリエイティブ系の方には特にオススメです
■レベル:守
私のアクション:ノートを書いたら、蛍光ペンで線を引き、後で見返しやすくする
デジタルのメモだけでは…きれいなフォントで、ある程度整理された情報にまとまってしまいます…紙のノートには、たくさんの余分な情報が残ります。その余分な情報こそ、後で見返すと最高に面白い
— やすこ (@yasuko659) June 13, 2023
——
佐藤ねじ『超ノート術』
昔のノートも捨てちゃダメ#読了 #本が好き #日経BP社 pic.twitter.com/4WYzNTxRue
次の記事は私の個人的メモです。興味のある方はどうぞ。※メモのスタンスはこちら
※メモは近日中にUPします!
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