話がうまいということと、話が伝わるは、別もの
- ポイント1 伝え方の課題は「伝える不足」と「伝え方下手」の2つ
- ポイント2 伝わる構造は7階建て
- ポイント3 わかりあいたい相手とは「脳内チューニング」
◆目次◆
第1章 人は、正しいかどうかではなく「伝わったこと」で判断する
第2章 「伝わる」は7階建て構造
第3章伝える技術伝わる技術
第4章 「伝わる」人が実践している4つの行動
第5章 「伝えるのが面倒な人」への対応策
- 読んだきっかけ
- こんな本です
- ポイント1 伝え方の課題は「伝える不足」と「伝え方下手」の2つ48
- ポイント2 伝わる構造は7階建て63
- ポイント3 わかりあいたい相手とは「脳内チューニング」116
- まとめ
- 感想
- こんな人にオススメ
読んだきっかけ
前著『パン屋ではおにぎりを売れ』が面白かったので、この本もずっと読みたいと思っていたんですが、なかなかタイミングが合わず。
今回、ようやく読めました。
さすがは敏腕編集者。前著と同様、とても読みやすく伝わりやすい本でした。
こんな本です
自分の考えや思っていることを伝えるのは、なかなかむずかしい。
著者も編集者という仕事柄、「どうすれば伝わるのか」常に考えてきたといいます。
「伝える」と「伝わる」は違う。
「伝わる」ための考え方や具体的な方法を学べる本>
仕事やプライベートのどちらも、また「話す」と「書く」の両方をカバーしているのでおトクでもあります。
ポイント1 伝え方の課題は「伝える不足」と「伝え方下手」の2つ48
この2つは分けて考えたほうがいいそうです。
「伝える不足」→量の問題
「伝え方下手」→質の問題(P49)
「伝える不足」の問題は、「伝える頻度(回数)」の問題。
一度で伝わると思わず、伝えたいことは繰り返し伝えてみるよう、この本では勧めています。
一方、「伝え方下手」はわかりにくい、抽象的すぎる、つまらないなど、すべて質の問題だとか。
伝えたい、わかってもらいたいのであれば、頻度を高めるとともに、伝え方を工夫し、質を上げることが大切(P52)
2つを区別した上で、どちらもバランスよく行う必要があります。
ポイント2 伝わる構造は7階建て63
何かを身につけるときには、まず構造を知ることで、全体像や本質が理解できる(P61)
著者が考える「伝わる構造」は「7階建てのビル」のような構造をしています。
1階 ゴール設定 →「何のために」か、ゴールを決める
2階 納得感(理解する、腑に落ちる) →相手の納得感がないと、伝わったことにならない
3階 相手ベース 伝わる=相手が理解する、腑に落ちる、納得する
4階 見える化 相手の頭の中に「見える化」させる
5階 聞く力 相手の話をとにかくよく聞く。「返報性の原理」と「親近感」を生む
6階 親近感 親近感があると、受け取ってもらいやすくなる
7階 信頼感 「この人が言うなら信頼できる」となれば、伝わる可能性は上がる
※内容を私が要約したものです
――言及はありませんでしたが、建物にたとえているということは、まず1階から取り組めばいいし、下の階ほど重要なのだと思います。
上の階に行くほどテーマが大きくなり、ノウハウと言うよりは人とのしてのあり方、みたいな話になっていますよね。
当面は4階か5階あたりを目標にすればいいのではないでしょうか。
ポイント3 わかりあいたい相手とは「脳内チューニング」116
本では具体的な方法がさまざま紹介されているのですが、一番印象に残ったのが「脳内チューニング」でした。
著者曰く、「コミュニケーションの不一致を改善することは可能」だそうです。その方法が「脳内チューニング」。
ポイントは3つ
1.相手とのゴールを共有する
2.「質問」でチューニングする
3.お互いの頭の中を見える化させながら進めていく(P117)
例として美容師さんが挙げられていました。
お客さんとのコミュニケーションが「脳内チューニング」そのものだとか。
髪を切る時に気をつけないといけないのが「お客さんが持っているイメージと自分が思っているイメージが違う」ケース。
「10センチ切ってください」と頼まれたとします。
腕のいい美容師さんは、そこでいきなり切ったりしません。
まず、お互いのイメージ確認を行います。お客さんの脳内イメージ通りに仕上がるか、すり合わせが必要ですよね。
髪型カタログを見せたり、お客さんの髪の特徴を伝えたりして、お客さんの持つイメージを質問しながら「見える化」していく。
お互いの脳内でできるだけ近いイメージになるように調整する。
そうすることで、「脳内イメージ」のズレをなくし、カットしたあとの「イメージと違う!」というクレームを避けているんですね。
この方法は、私たちの日常でもすぐ使えるテクニックだと思います。
「話が違う!」になるのは、脳内で描かれる「目指すゴール」がズレていることが多い。
お互いに質問してゴールを共有していくと、解決への道筋が見えてきます。
まとめ
この本そのものが「伝わる技術」でできています。
重視したのは「読む人の頭の中を想像すること」。
具体的には…
- 理論などが腑に落ちるよう「たとえば」の多用
- 恋愛やレストランの話など、自分ゴトにしやすい事例の活用
- 読者と僕の、本を通したキャッチボール
- 「間」を積極的に活用(P62)
など、種明かしもあちこちに。
「伝える」ではなく「伝わる」という視点で見直すと、今よりコミュニケーションが楽しくなるかもしれません。
感想
文章ももちろんですが、空白の多さやイラストなど、本のつくり自体がとてもわかりやすい。
この本の構造をまねすることから始めてもよさそうです。
著者は何度も読み返すことを勧めています。そして、行動あるのみ。
ぜひ、あなたも実際に「伝わる技術」を身につけてください。
こんな人にオススメ
- コミュニケーションが苦手と感じる人
- 仕事で上司や部下と意思の疎通をはかるのが苦手な人
- 大事な人と会話が続かない…と悩んでいる人
■レベル:守
私のアクション:伝えにくいな、と思ったら性格を切り離して、別人格になったつもりで伝える。
「間」には、相手が覚える、考える、理解する時間を作る役割があります
— やすこ (@yasuko659) September 8, 2023
——
柿内尚文『バナナの魅力を100文字で伝えてください』
「間」のない早口は伝わりづらい。「間」は相手への思いやり#読了 #本が好き #かんき出版 pic.twitter.com/MPMmT5kp5t
次の記事は私の個人的メモです。興味のある方はどうぞ。※メモのスタンスはこちら
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